最近、「不要な金買い取ります」という看板やチラシをよく見るようになった。10月には金価格が史上最高値を連日更新し、14日には、一時1トロイオンス1072ドルを突破。そこで10月21日、私も自宅に眠る金のアクセサリーと金貨がいくらで売れるのか、買い取りをうたう質屋、地金商など都内数店舗を回ってみることにした。

持参したのは、香港の有名貴金属店で2005年に購入した24金の腕輪(16.5グラム、約3万5000円で購入)と06年に買った同ブランドの指輪(5.5グラム、約1万円)、そして07年に、銀座の田中貴金属で入手した1トロイオンス(31.1グラム、8万6718円)のメイプルリーフ金貨の3点だ。

最初に訪れたのは渋谷の質屋「大黒屋」。担当者に腕輪と指輪を渡すと、ルーペで刻印を確認後、純度を測るため比重計にかけられた。しかし、ここで予想外の反応が返ってきた。

「腕輪は中に空洞があって純度が測れないうえ、刻印がはっきりしないので買い取れません」

ガーン。結構重さがあって期待していただけにショックである。指輪は「999.9」という純度を表す刻印と比重計で純度が確認できたため、地金買い取り価格(24金1グラム=2600円)にグラム数を掛け、1万4300円なり。金貨には8万4500円の値がつく。

次に訪れたのは某デパート内の店。24金の地金買い取り価格は1グラム2285円と大黒屋より安い。逆に、金貨は8万9847円と地金より高値がついた。問題の腕輪に関しては、「X線で純度を測れますが、機械がここになく2週間ほどかかります。価格は結果が出たときの相場価格となります」との回答。

比重以外に純度を測る手立てがあるとわかり少々安堵するが、2週間後に金価格が暴落したらと考えると、やや不安である。

その後、質屋と買い取り業者など2~3軒回ってみたが、腕輪はどこも買い取り不可か、即査定不可との回答。海外で買ったものは24金とうたっていても純度が低い場合があるようで、買い取るほうも慎重になるようだ。ある宝飾店にいたっては、純度を測りもせず「海外のものなので指輪は22金、腕輪は20金価格での買い取りが限界です」との答え。むろんその分、純金よりも安くなってしまう。