【case2】上司が無名大学出身だった!

●「大学はどこですか?」と上司に聞いたとき、名前を聞いてもわからず反応できなかった。(女性・34歳)
●上司に出身大学を聞いたら、自分の出身大学より偏差値が低くて気まずくなった。(男性・40歳)

上司が無名大学の出身であると判明したら、間髪入れずに「学生時代はどんなことをしていらしたのですか?」と質問すればいい。あなたと同じ会社にいて上司としての地位を得ているのなら、何かしら学生生活の中で自慢できる話を持っていると想定できるからだ。そうした部分を拾って持ち上げる。

無名大学出身でいま活躍している人に多いのが、体育会系だったという話。上司が「学生時代はテニス部のキャプテンだったんだ」と答える。これに対しあなたは「すごいですね。僕、運動は全然ダメなんです」と言う。すると「そりゃ勉強ばかりしていたからだよ」と話が続き、立場が逆転する。

同僚との会話でも同様。「サークルは?」「どんな本や音楽が好きだった?」など、学生生活の話に持っていけば距離は縮まる。

【case3】三流大学を批判したら本人が!

●「A大学卒は大卒といっても高卒みたいなもの」と言ったところ、上司の一人がその大学出身だった。(男性・38歳)
●「B大学ってバカが行くところですよね」と話したら相手がB大学出身でした。(女性・45歳)

具体的に大学名を挙げて貶めたり、非難するような発言は慎むべきだ。ただつい口に出てしまうこともあるだろう。「すみません」だけでは相手をさらに格好悪くさせてしまうし、取り繕いたいがためにリカバリーショットを打てば打つほど、状況は悪化する。

なかなか解決策を見つけるのは難しいが、「すみません」の後に「僕は偏差値の高い大学に行くのがいいことだと考えて猛勉強をしたので、ついそういう価値観で見てしまっていたのです。でも社会に出て、それだけではないとわかり始めたところでした」と続ける。ここまで言えば、相手によっては理解してくれるかもしれない。

最後に、職場での学歴の話について補足したい。出身大学を聞く人は、出身大学そのものを聞くことが目的ではないことが多い。同じ大学、同じ学部であるなどお互いの間に接点を探し、盛り上がりたいのだ。

ところが、聞かれた側や周囲の人たちは何気ない言葉に劣等感を感じてしまうもの。超難関大学の出身者同士が内輪話で「大学の近くにあったあのカレー屋、おいしかったよね」などとつい盛り上がったりすると、決して自慢話をしているつもりはなくても周囲の人は疎外感を抱いてしまう。この場合、同じ大学の出身者だけで別の機会に話をすればいい。大勢がいる場所では、趣味やアルバイトなど無難な話で盛り上がるようにすることをお勧めしたい。

(宇佐見利明=撮影)