ベンツCクラスに50年乗って5525万(都心は6725万円)

すると結果は、毎月平均で約9.2万円、年間費用は110.5万円、50年間の総額で約5525万円になることがわかった。

写真はイメージです(写真=iStock.com/SUNG YOON JO)

ソニー損保の調査では、カーライフにかけられるコストの平均月額は約1.7万円で、カーライフを送るのに必要な手取り月収は平均23.6万円となっている。仮に、この手取り月収の新成人がベンツに乗った場合、収入の4割近くがクルマ関連費で消えることになる。こうなるともはや趣味の領域を超えて、「生活そのもの」になる。独身で実家住まいでなければ、そうした生活を続けるのは難しいだろう。

ちなみに、私の周囲のクルマ好き男性は、「自分は、○○しか乗らないことにしている」と1つの車種にこだわりを持つ人が多い。しかも、そのほとんどが高級車・輸入車だ。定年退職で収入が減ったからといって、軽自動車に乗り換えたというケースは聞いたことがない。

設定条件で1カ月の駐車場代は2万円としている。都内の賃料相場は、港区・千代田区など23区の中心部では4万~5万円、その周辺部では3万~4万円、市部では2万~3万円といわれる。仮に、月4万円で試算すると、50年間のトータルコストは約6725万円になる。

さらに言えば、試算には、クルマ好きがしばしば購入する車内外のアクセサリー代、不定期にかかる修理・故障代、洗車代、オイル・エレメント・タイヤ交換・バッテリー交換などのメンテナンス費用、ロードサービスのJAFの年会費(1人4000円)などは未計上なので、これらで少なくとも年間10万円程度を見込んだほうがいいだろう。その場合、50年間のトータルコストはさらに500万円以上増えることになる。

▼「これだけは譲れない」……聖域コストの典型がクルマ費

クルマは単なる移動手段、ツールであると割り切れるのであれば、できるだけ節約して燃費の良いクルマを選んだり、自動車ローンや自動車保険(任意)を見直したりするなど手だてはいろいろ考えられる。レンタカーやカーシェアリングなど、そもそも「所有しない」という選択肢だってあるのだ。

しかし、クルマの価値はそれだけではない。その人(特に男性)の趣味嗜好やステータスシンボルを象徴するものでもある。

要は、クルマに対して、お金で換算できない価値があると感じる人にとっては、コスト云々という議論は無意味なことだろう。とはいえ、家計相談を受けていると、身分不相応というか、収入に比べて、「え? クルマにこんなにお金かかっているんですか?」という事例に当たることが少なくない。

もちろん、そんなときは「これ(クルマにかかる費用)を見直すのが一番効果的なんですがねえ」とコメントするが、いつも返ってくる言葉は同じ。

「そうですよね。分かってはいるんですが、これだけは……」

自分の好きなモノ・コトの消費に対して甘くなるのは、男女に共通するものだが、クルマのトータルコストは「マイホーム」に次ぐ数千万円レベル。ヘタをすると家計が破綻し、悲惨な老後を迎えるリスクもはらんでいることを頭に入れておくべきだろう。