次にめざす「1位」は顧客満足度

機体が羽田に着陸し、格納庫に入った。外では、社長の市江正彦らが待ち受ける。人事部長の勝田茂生が新入社員たちに「初仕事」を指示した。

「これからこの機体にはお客さまが乗り込まれます。気持ちよく使っていただけるように、みなさんに清掃をお願いします」

シートベルトを外した新入社員たちは、先輩たちに教わりながら機内清掃を始めた。今後それぞれの部門に別れていく145人が、初めての仕事に同期全員で取り組む。

神戸空港での入社式は、地元の新聞やテレビで大きく取り上げられた。スカイマークとしては順調な再生と、神戸経済への貢献をアピールすることができただろう。新入社員にとっては、同期全員で搭乗する機会は二度とないはずだ。

日本の航空業界は大手2社の寡占状態が続いている。スカイマークが「第3極」として存在感を示すためには、佐山がいうように、ひとつずつ「1位」を積み重ねていく必要がある。定時運航率はそのひとつだ。そしてそれを維持するには、部署をこえた連携が欠かせない。入社式で同期全員と搭乗した経験は、今後大きな意味をもつはずだ。

スカイマークが次にめざす「1位」は顧客満足度だという。登る山は決まった。準備は整っている。(文中敬称略)

羽田空港のチェックインカウンターには「定時運航率1位」を知らせるポスターが掲げられていた。(撮影=プレジデントオンライン編集部)
三宅玲子(みやけ・れいこ)
ノンフィクションライター
1967年熊本県生まれ。「人物と世の中」をテーマに取材。2009~2014年北京在住。ニュースにならない中国人のストーリーを集積するソーシャルプロジェクト「BilionBeats」運営。