現在は「35キロの津波」の体験キットを作成中

開発のヒントとなったのが、京都大学の生協で販売していた「素数ものさし」。目盛りは2、3、5、7、11、13のみ。これに触発されてコンセプトがひらめいた。学習塾を営む父親や静岡大学の教授の協力も得て、アイデアを形にすることに成功した。

小さい頃からパソコンやゲームに親しむ「デジタルネーティブ世代」。小学校低学年の頃から、ゲーム攻略法の動画を作成していたユーチューバーでもある。そんなデジタル脳が行きついた先は、ものさしというアナログだった。

昨年は津波体験キットを作成し、現在特許出願中。足下におもりやエキスパンダーの負荷をかけることで、平均時速35キロメートルの津波の衝撃を体験できるという。

「津波の怖さを実感できます」(同)――“教育開発”の天才出現、といったところか。

山本賢一朗(やまもと・けんいちろう)
2005年、静岡県生まれ。小学5年の夏休みの自由研究で考案した「分数ものさし」を使った足し算・引き算の計算法が浜松市小・中学校発明くふう展で優秀賞受賞。静岡大学教育学部・塩田真吾准教授の協力で、掛け算・割り算の方法も完成。
(撮影=堀 隆弘)
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