“30歳で詰む人”は毎月1万円も貯められない

【鉄則3:収入より少ないコストで暮らす】

社会人になって親の扶養を離れた以上は、「自分の稼ぎ」と「自分の生活費」のバランスを守らなければなりません。また家電の買い換えや引っ越し、結婚式の出席など、いきなりやってくる大きな出費に備える必要もあります。月々の収支は「自分の稼ぎ」が「自分の生活費」が上回るようにしなければなりません。

写真はイメージです(写真=iStock.com/baphotte)

できれば、毎月の給与の10%は「バッファー」(出費に備えるゆとり資金)として残すようにしましょう。ボーナスも同じです。もらった分をすべて使っていると、いざというときに困ります。

確実に貯める方法をひとつお教えします。

給与が振り込まれたら、まずは家賃やスマホ代などの「固定費」の分を差し引きます。さらにそこから1万円を引いておくのです。

残金がその月の生活費です。その月の日数で割り、「毎日使える上限額」をはじき出します。毎日の食事代や日用品代、交通費などは、その上限額に収めるようにします。上限額を守ることができれば、毎月1万円が残ります。それが貯金の第一歩です。

結婚、旅行、マイホーム購入、子供の教育費など、これからの人生にはたびたび大きな支出の機会があります。コツコツと貯金をして、節目ごとに大きく使う。人生とはそうしたプロセスの繰り返しだと考えてください。

【鉄則4:貯めるなら「残す」より「天引き」にする】

お金を貯めることが人生に必要だ、と認識していたとしても、貯められる人と貯められない人がいます。なにが違うのでしょうか。

後者の典型は、「毎日節約しているから、給料日までに残ったお金を貯めよう」という考えの人です。一見するともっともらしいのですが、たいていうまくいきません。多くの人は給料日の3日前に「3万円残っている」とわかると、「3日後に3万円貯められる」と考えるよりも、「あと3日で3万円も使える」と考えてしまいがちだからです。

お金を貯めるのにもっとも効率的なのは「自動化」することです。貯める金額を先に天引きしたうえで1カ月を過ごすのは、同額を残すように1カ月やりくりするより、なぜか簡単で楽です。本気で貯めたいと思うのなら、積立定期預金をはじめたり、会社の財形貯蓄を活用したりするのがおすすめです。

【鉄則5:独身で生命保険に入る必要はない】

新社会人にとって「社会の洗礼」のようなものがあるとすれば、酒席と生命保険の営業でしょう。一部の企業では、保険のセールス担当者が職場に出入りしていたり、エレベーターホールで待機していたりするようです。

もし、保険加入を促されても「親が私の分も入っているから不要です」「親戚に生保の営業がいて、すでに入っています」と答えて断ってください。

少なくとも結婚するまでは保険に入らなくてもかまわないと思います。日本の健康保険制度には「高額療養費制度」があり、医療費の上限には打ち止めがあります。仮に「がんの手術」が必要になってもその制度のおかげで何百万円も必要になることはありません。また、もし働けなくなっても最大1年半は健康保険から「傷病給付金」が給付されます。

そもそも新社会人の乏しい給与から、月1万円以上を生命保険に払う余裕はないでしょう。むしろその分を貯金に回すことが大切です。