政党と政治家は国民と大義のために存在する

【塩田】結集を呼びかけた相手方の各党の対応は。

【大塚】立憲民主党は非常にかたくなです。独立独歩でやっていくという姿勢ですね。総選挙の経緯を踏まえて、希望の党とは連携できないと拒否反応を示しています。心情としては理解できますが、今の小選挙区制の下では、3党が結束しないと政権交代可能な政治に接近するのは難しい。いろいろなルートで「一緒にやりましょう」と引き続き働きかけています。

政党や政治家は国民と大義のために存在しています。政権交代の可能性を追求することなく、持論を展開することに自己満足するだけでは、公党として責務を果たせません。政党や政治家は、自己満足に陥ったら政党や政治家たる資格を失います。これは与野党関係なく、私たち議員が共有しなければならないことだと思います。野党は本気で政権交代に取り組むことが責務です。次の次でいいとか、3回先というような話ではない。毎回の総選挙で、主権者である国民が政権を選べる状況を提供しなければ、主権者は権能を行使できない。次の総選挙でもそういう展開を実現する。立憲民主党にも希望の党にも、その一番大事な目標を共有していただくことを期待したいと思います。

統一会派の交渉において、希望の党はテーブルについてくれました。安全保障などの重要な政策で、小池百合子東京都知事やチャーターメンバーが定めた内容は我々の考え方とは隔たりがありましたので、協力し合うためには歩み寄らなければなりません。私たちも歩み寄りましたが、玉木雄一郎代表をはじめ、希望の党執行部はかなり苦労しつつも、歩み寄ってくれました。

【塩田】ですが、今年の通常国会の開会前、希望の党とは統一会派結成で一度、合意しながら、結局、白紙にという結果となりました。

【大塚】無所属の会代表の岡田克也議員(元民進党代表)と平野博文国会対策委員長(元官房長官)も両党の合意文書をまとめる作業に関わっていただいたので、合意できるかなと期待したのですが、ああいう結果になりました。政策面の合意とは別に、細野豪志議員とは一緒にできない等の、選挙のしこりが大きな障害となりました。

しかし、統一会派を巡る葛藤を経たことが、その後の変化を生んだと思います。不条理な総選挙の経緯で主張を変えさせられた部分を軌道修正したり、過度のけじめ論を超越しないと、野党が大同団結する際の障害になるという共通認識が、関係者の間に生まれました。希望の党の中では、松沢成文議員(元神奈川県知事)たちが分党を申し出たことで、その後の展開に新たな工夫の余地を生んだと思います。一歩前進だと思います。

【塩田】いつ頃までに野党結集を、と考えていますか。

【大塚】それは「神のみぞ知る」です。来年春の統一地方選、夏の参院選のぎりぎりまでさまざまな努力をします。ですが、やはり統一地方選の1年前の今春とか、参院選の1年前の今夏が一つの節目です。統一地方選や参院選に臨む議員や候補者たちが、安心して選挙に臨める構図を構築しなくてはなりません。