なぜオーケーは、他を圧倒するほどの低価格を実現できるのか。ひとつの理由は商品数を絞り込む大胆な「仕入れ」だ。

オーケーでは商品を仕入れる際に、「トップシェアかどうか」にはこだわらない。類似商品を複数仕入れるのではなく、「ヨーグルトなら、これだ」と商品数を絞り込み、そのかわりに大量に仕入れることで売価を下げている。これは売り上げアップにもつながる。

オーケーがある類似商品2種を1種に絞り、売価を約8%下げたところ、商品群全体の売上高が前年比で22%も増加した。また販売メーカーとの取引額は前年比で2.7倍に増えたという。

1個2円で別売りになった醤油ミニパック(編集部撮影)

オーケーは自社のウェブサイトでこのケースを紹介しており、絶えず調整を繰り返していることがうかがえる。逆に、普段取り扱ってない商品をまとめて仕入れ、“売り切れ御免”で「特別提供品」のPOPをつけて安値で販売もしているのも特徴的だ。

商品の提供方法にも工夫がある。精肉や魚の一部商品は、トレー容器ではなくビニール袋に真空パック状態で陳列されている。刺し身パックにはツマが入っていない。弁当やサラダ、刺し身などにはしょうゆやソース、ドレッシングなどを付けず、別売りにしている。ビールやジュースはあえて常温で陳列し、冷蔵設備代や電気代を節約している。不要な経費を徹底的に省いているのだ。

レジ袋は1枚6円、段ボールで持ち帰りもOK

またオーケーのレジ袋は「1枚6円」と他店にくらべて高い。これにより店側はレジ袋にかかる経費をまかなえるし、客はマイバッグを持参すれば金銭的負担は生じない。常連客であれば買い物の前にマイバッグを用意しておけばいいわけで、肝心の商品の安さを考えれば十分許容できるものといえるだろう。

店頭には荷物持ち帰り用の段ボールも用意されている。購入商品が多いときにはこれに詰めて持ち帰ればいい。店としては段ボール廃棄の費用と手間が省ける。客と店の両者が得をする仕組みだ。

店舗によっては、ショッピングカートの利用に一時金がかかる場合がある。利用の際には100円玉を入れ、使い終わって所定の位置に持っていくと返金される。従業員はカートの整理作業をする必要がなく、労働量が減るので人件費を抑えることができる。これも良い商品を低価格で売るための工夫だ。