成功者は過去より未来を見つめる

冒頭の話に戻ります。成功するビジネスパーソンはなぜウソが疑われもしないのか。答えは彼らが常に未来に目を向け、かつ自分の力量をよく把握しているからでしょう。

ウソとは基本的に過去に起きたことを偽るもの。できない人間に限って保身のためウソをくどくどと語ることで綻びが出るものです。その点、成功者は過去より未来を見つめます。関係者全員が先に進むためには、時には事実と異なる物語を紡ぎだすこともやむなしという覚悟で挑むその姿勢が、周囲の信頼をも勝ち取っているのかもしれません。

▼職場のいいウソ、悪いウソ
○:部下や同僚をかばうウソ
基本的にウソはつかないで済むならつくべきではないですが、これはギリギリ○が付く。自分は全く悪くないけれども、誰かをかばうためにつくウソだったら、ばれても自分の株が上がるだけですからね。「男気があるな」と上司も感心します。


△:ビジネスの形を整えるウソ
3時のアポのことを2時50分に思い出した。相手の会社までは1時間かかる。ここで「忘れていた」と正直に謝るのではなく「トラブルがあった。今から行くが、時間に余裕がないなら再スケジュールできないか」と伝えれば、迷惑はかけますが「しょうがないな」となります。
△:自分を奮起させるウソ
ビジネスを進めていくためには“のりしろ”が必要。上司に「できるのか」と言われ、たとえ自信がなくてもきっぱり「やります」と言ったほうが上司は信頼できる。ただ、本当にそれで収まる仕事か、自分の力量は常に把握しておこう。
×:自分を守るウソ
自分を守るためのウソは大した意味はありません。普段からあなたを見ている上司にはウソだとすぐにばれます。そもそもウソによる「周囲からの信頼の失墜」といったリスクをそのために取るというのは、得策ではないです。
×:相手を陥れるウソ
自分の責任なのに「部下が失敗した」「同僚がヘマをした」などとウソをつくのは最低なパターンです。ビジネスシーンにおけるウソとは、相手との関係をよりよくするために必要なストーリーとして使うべきなのです。こういうウソはすぐばれます。
濱田秀彦(はまだ・ひでひこ)
マネジメントコンサルタント
ヒューマンテック代表。早稲田大学卒業。リフォーム会社、人材育成会社を経て1996年独立。話し方・伝え方を中心とするビジネスコミュニケーションの指導、システム教育、研修を手がける。著書に『上司の言い分 部下の言い分』など多数。
(構成=三浦愛美 撮影=横溝浩孝 写真=PIXTA、iStock.com)
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