結婚や出産で辞める女性が多い中、続けている理由

重機オペレーターの仕事場は、数カ月から1年おきに変わることが多い。大崎さんもその例にもれないが、現在は、東京郊外の大規模な宅地造成地にやってきて5年目。長く同じ場所で働いていると、仕事仲間との間に連帯感が生まれるし、先輩の仕事ぶりを見ながら、自分の操作テクニックを磨いていくことにもやりがいを感じている。

Essential Item●ヘルメット、安全ベスト、安全靴は建設現場の定番。女性用の靴は近年、軽量モデルも豊富になった。

「先輩たちの技術にはとても及びませんが、私はダンプが得意なので、それだけは誰よりも上手になろうと思っています。たとえば、掘った土を積み込んでもらうとき、いかにバックホウの操作をしやすい場所に停めるか。そして土をどこに降ろすか。そうした動きをいちいち指示されなくてもスムーズにできるよう、いつも意識しています」

オペレーターは現場の経験によって操作技術を磨いていく。いまは驚くほど無駄のない動きと速さでバックホウを操る先輩たちも、新人の頃は失敗し、何度も怒られながら腕を上げてきたという。そうした話を聞くと、「自分ももっと、頑張らないと」と思う。

「転勤が多い仕事なので、結婚や出産を機に辞めてしまう女性もけっこういて、現場に出ている女性社員のなかでは私が最年長になってしまいました。それでも、続けられる限りは続けたい。そのためにも技術をもっと向上させていきたいですね」

▼大崎さんの1日のスケジュール
(5:30)起床
(7:00)家を出て現場へ
(7:30)朝礼
(8:00)作業開始
(12:00)お昼休憩
(13:00)作業再開
(17:00)終業
(17:30)夕食
(18:00)帰宅
(20:00)テレビ・入浴など
(23:00)就寝

撮影=伊藤菜々子