2010年4月29日(木)

「ダウンロード違法化」で処罰の対象が一気に拡大
-違法サイト閲覧:トラブル脱出の知恵

PRESIDENT 2009年8月3日号

著者
落合 洋司 おちあい・ようじ
弁護士

1964年生まれ。87年早稲田大学法学部卒業、89年検事任官。2000年退官、弁護士登録。ヤフーを経て独立。泉岳寺前法律事務所代表。監修書に『罪と罰の事典』、共著に『サイバー法判例解説』など。

弁護士 落合洋司 構成=成松 哲
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リンクを貼っただけで逮捕された例もある!

インターネットで無修正のポルノ画像を見ることは後ろめたい、という人もいるだろう。安心してほしい。少なくとも現行法では無修正のポルノを見たり、ダウンロードしたりすることには何の違法性もない。

違法性を問われるのは、他人に提供した場合だ。ウェブサイトやメールなどで無修正ポルノを提供することは、わいせつ物頒布罪・公然陳列罪(刑法175条)に問われる。これには画像の見られるサイトへのリンクを貼ることや画像投稿できる電子掲示板を設置することも含まれるとされる。

2004年6月にはわいせつ画像の投稿を呼びかける掲示板を運営し、画像を閲覧可能な状態にしたとして、2人がわいせつ物公然陳列の疑いで逮捕、起訴されている。

同じポルノでも18歳未満の児童を被写体とした「児童ポルノ」は、より厳しい取り締まりが行われている。

07年5月には、児童ポルノ画像を掲載したサイトのURLを紹介したとして2人が児童ポルノ公然陳列幇助罪(児童ポルノ法七条)の疑いで逮捕された。果たして単なるリンクが幇助に当たるのか、その法解釈には一考の余地があるものの、立件例があるのは事実だ。

さらに児童ポルノに関しては、今後ダウンロードするだけでも処罰の対象となる恐れがある。現在、一部の国会議員は、「単純所持」を処罰の対象とするよう児童ポルノ法改正に向けた議論を進めている。

また、改正に賛意を示している日本ユニセフ協会などは、被害者である子どもが実在する実写のポルノに加え、実在しない人物を描いた創作物も「準児童ポルノ」として規制対象にすることを求めている。その場合、いま正規に流通しているアダルトコミックやゲームなどを持っているだけで違法となる。法改正には慎重な意見も多いが、動向には注意が必要だろう。

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