受け入れ側は「アルバイト感覚」を捨てるべきだ

こうした取り組みは今後進んでいくのか。今回の副業募集の仲介役であるビズリーチの地域活性推進事業部の加瀬澤良年チーフプロデューサーは「副業・兼業が進まないのは、やりたい人はいても受け入れ側が、プロ人材であってもアルバイト的にしか考えていないなど体制が充実していません。また、プロ人材も自分のスキルを切り売りするよりも、本業で身に付かないものを学習したい、違う人生のキャリアを模索したいと考えている。今回の試みが他の自治体や企業にも広がっていくのではないかと期待している」と語る。

福山市の中村部長も「地方の中小企業は人材の確保に困っているが、副業というスタイルの確保策があることを発信していきたい。それが花開くことになれば必ずしも新卒に限らず、中高年世代を含めた多様な人材確保策が将来生まれる可能性がある」と期待する。

とはいっても現実には仕事に追われて副業どころではないと言う人も多いだろう。働き方改革によって日本の長時間労働体質が見直され、定時退社や有給休暇の完全取得が可能になれば、今以上に副業の土壌が生まれる。

また、企業の人事担当者の多くは、社員にとって副業のメリットは大きいと頭でわかっていても、「本当に本業の邪魔にならないのか」という不安を捨てきれずにいる。今後、そうした懸念を払拭する仕組みができれば、会社員の副業は一気に広がるかもしれない。

(写真=iStock.com)
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