写真=iStock.com/Vincent_St_Thomas

もし、デパート駐車場で待つとしたら

仕事ができる人は、いつも「問題意識」を持っている。逆に、「問題意識」さえ持っていれば、観察眼は、誰でも、どこでも磨くことができる。そこに差が出るとすれば、実践する「視点」と「具体的な方法」の違いだ。下記の問いを考えてから、読み進めてほしい。

Q.銀座(他の街でもよい)のデパートに用事ができ、クルマで出かけた。あいにく駐車場は満車で、駐車場の入口で20分ほど待つと係員に告げられた。このまま待つとして、あなたなら何をして時間をつぶすだろうか。

このシチュエーションで、「どういった人が、デパートで買い物をしているのか」といった問題意識を持ったとして、次のような視点で観察することができる。

▼どの世代の人が、誰と訪れているか

銀座の場合なら、30代の子供連れ(幼児)の女性とその母親の利用が多い。買い物の費用は、母親が負担している可能性がある。

▼どこから来ているのか

ナンバープレートを見れば、都内はもとより、東京近郊の千葉や神奈川など30キロ商圏から来ている顧客が多いことなどがわかる。遠方からやってくる人はオシャレに力が入り、ドレスアップしてくることが多い。逆に近隣なら、カジュアルウエアを身にまとった人が多くなる。

デパートに入店したら、男と女を見る

デパートに入店したあと、「デパートでの、男性と女性、それぞれの行動パターン」「どのブランドにどんな顧客がいるのか」といった問題意識を持ったとしたら、次のような視点で観察ができる。

▼男性の買い物と、女性の買い物では、どこに違うか

男性は女性と違い、ウインドーショッピングをあまりしない。男性の買い物には目的(目的来店)があり、来店すれば、モノを購入する確率が高い。ウインドーショッピングだけで帰る女性顧客とは、この点が違う。

▼女性用ファッション売り場で、ブランドの動向を把握する

顧客が身につけているアウターウエア、持っている靴やバッグなどからライフスタイルを想像しつつ、どんなファッションテイストの人が、どのブランドを選んで購入しているかを観察する。ブランドはそのテイストによって市場を棲み分けしており、顧客もブランドによって分ける。こういうタイプの顧客にはこのブランド、こういうタイプだとこのブランドは選ばない、といったことを肌で理解できるようになる。

観察が勉強になるのは、買い物のときだけではない。たとえば、電車に乗ったときもそうだ。