なぜ教習所や免許センターで教えないのか

これは、教習所でしっかり教えていないことが背景にあります。教習所教官の知人によると、駐禁のルールを教えることはあるようです。ただ、学科で教える何コマかあるうちのたった1コマで、しかも10分程度。パーキング・メーターの使い方だとか、駐車禁止となる具体的な要件などは一切教えていないようなのです。

警察署または免許センターでの免許の更新時は、それを教えるいい機会のはず。5年に1度、警察署または免許センターに行って講習を受け、免許を更新するわけですが、私の過去2回の更新時では触れられませんでした。ここでも教官の方に聞いてみたのですが、ほかに伝えなければならないことがあるとのことでした。

駐車違反の取り締まりは、警察官や駐車監視員が行いますが、基本的に取り締まりの方法を教えてはいけないことになっています。ということは、基本的に誰も教えてくれないところで駐車違反をしないかとドキドキしながら運転している――この状況は改善すべきではないでしょうか。

松木和哉
駐禁ライター
元駐車監視員。2006年6月、駐車監視員制度導入時のメンバー。銀座・渋谷を担当。6年間で1万枚を超える駐禁ステッカーを貼り付けた。著書に『駐禁逃れ完全武装マニュアル』ほか。
(構成=金井良寿 撮影=小原孝博)
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