どうしても「初めの一歩」を踏み出せない人へのアドバイス

他にも走った後のビールやご飯はおいしく感じられ、ランニング仲間ができれば友達が増えることになる。ランニングをしようと思っているのに、走らない人は、さまざまな面で「損失」があるといえる。

では、どうしたら走りだすことができるのか?

写真=iStock.com/jacoblund

社会人になると、仕事や家族のことで手いっぱいになり、自分のプライベートは後回しになりがちだ。「仕事が一段落したら」「時間ができたら」「もっとやる気が出たときに」なんて考えていると、そのときはなかなか巡ってこない。

そこで、なかなか走りだせない方は、ランニングのプライオリティを上げていただきたいと思う。ズバリ、走る“必要性”をつくるのだ。そのためには2つの方法が有効になる。ひとつはランニングを「用事」にしてしまうことだ。例えば、水曜日の夜にランニングクラブ(会社内のサークルを含めると、都内だけで数百ある)に通うことになれば、どうにか時間を作ろうと工面するのではないか。ランニングクラブに入らなくても、誰かと走る約束をするだけでもいい。とにかく、他人を巻き込むことで、ランニングの“成功率”はグッと高くなる。

もうひとつの方法は、ランニングに「目的」をプラスすることだ。筆者がよくやっているのは、走って朝食用のパンを購入すること。お目当てのお店が電車で行くには面倒な場所なので、時間、交通費の節約にもつながるし、何より家族が喜んでくれる。最近は、「明日の朝食はパンだからね」と逆にプレッシャーをかけられることもあるほどで、「朝ラン」は家族公認の“自分だけの時間”になった。

▼まずは「ランニングウエアに着替える」が第一歩

最後に走りだすための具体的なテクニックをお教えしよう。ランニングで、最もエネルギーが必要なのは、実は「走る」ことではない。着替えて、自宅を出るまでの“助走部分”がポイントになる。今日は「何km走ろうか」という先のゴールを考えると、「嫌だな」「面倒だな」という気持ちが持ち上がってくる。それよりも最初のハードルをクリアすることだけを意識するのだ。

まずは、「ランニングウエアに着替える」。この行為ができれば、すべてがうまく回り出しやすい。「せっかく着替えたんだから」という気持ちが勝り、逆に走らないはもったいないという気分になるからだ。ランニング成功の極意は「着替える」ことにあると言っていい。スムーズに着替えるために、おしゃれで動きやすいランウエアやシューズを買って気分を上げるのもいいかもしれない。

とはいえ、たいていの人は意志が強くない。自宅に帰ると、どうしてもホッとしてしまい、緊張感が途切れてしまう。走ると決めた日は、自宅に戻る前に走ってしまうのも手だ。ランニング仲間がいなくても、都内であれば皇居近くのランニングステーションなどに行けば(都内の皇居周辺だけで20カ所以上ある)、自然と走りたいという気持ちが高まってくる。

どうしても走る時間がないという人はスキマ時間を活用してほしい。駅や会社ではエスカレーターを使わずに、階段で移動する。自宅なら、歯を磨くときに軽くスクワットをするというのもいい。日頃からカラダを鍛えるという意識を持っておくことで、自然と“アスリートモード”に入っていく。時間が確保できたときには、メンタル的にも走りだすことがずいぶんとラクになるはずだ。

ランニングを習慣化できれば持久力がアップし、自然と疲れにくいカラダになる。それは仕事でも好影響をもたらすだろう。走らなければ、カラダを若返らせる機会も得にくい。運動しなきゃ、と思っている方は、まずは花見がてら軽いジョギングに取り組んでみるのはいかがだろうか。

(写真=iStock.com)
【関連記事】
脳科学者「走ると記憶が整理されていく」
日本新記録"厚底"vs職人技"薄底"の大激闘
"箱根駅伝は無敵"青学生が燃え尽きる理由
『陸王』の足袋型より速いナイキの厚底靴
撮影当日に腹筋を割る"グラドル"の鍛え方