(3)顧客やネットワークを整理する

「複雑な」企業は低コスト生産設備と高コスト生産設備の比率を改善することもできる。間接費の負担を減らすために一つの顧客との取引を打ち切ったり、縮小したりすることはその第一歩にすぎない。十分な数の顧客について分析・検討することによって、企業は施設を統合して、最もコストの高い生産ラインやサービス・センターを閉鎖することができる。

そうすればマネジャーは、高コストの顧客と価格を交渉し直したり、パフォーマンスの悪い顧客との取引を打ち切ったりすることがはるかにやりやすくなる。このアプローチによって、企業は収益性を劇的に向上させ、大きな潜在的成長力を持つ収益性の高い顧客に資源を集中させることができる。

(4)このプロセスを長期戦略の一部に

幹部が自社の戦略的優先課題を打ち出すためには総合的な見方が不可欠だ。C社の事例では、われわれは経営陣と協力して、インタラクティブ戦略モデルと呼ばれる同社のビジネス・モデルの図を作成した。このモデルはバリュー・チェーンの各段階での主要パフォーマンス・ドライバー(業績向上要因)を示し、それからさまざまな活動のシステム全体への影響を市場の観点から評価するものだ。これによってその企業の財務の全体図が与えられるので、経営陣はパフォーマンス・ドライバーについての自分たちの思い込みを正して、最も有利な戦略を選び、組織の目標を設定することができる。