人気店店主も驚いた「衝撃の味」

今回のイベントでは、次の3人のバリスタがコーヒーを淹れた。

(1)岩瀬由和バリスタ(2016年WBC準優勝。2014~15年JBC2連覇)
(2)本間啓介バリスタ(2016~17年JBC2年連続準優勝)
(3)植松大記バリスタ(2017年海外コーヒーカクテルの大会で優勝。他に準優勝3回)

当日の参加者には、メディア関係者のほか、飲食店関係者が多かった。茨城県牛久市の人気店「サイトウコーヒー」を経営する齋藤孝司氏は、イベントで試飲したエスプレッソ(高圧抽出したコーヒー)とカプチーノ(エスプレッソに泡立てた牛乳を注いだもの)のセットについてこう話す。

植松大記バリスタ(サザコーヒー提供)

「エスプレッソでは、飲む前には深いコクと苦味、キレを期待していましたが、飲んだら想定とはまったく違う味で驚きました。コーヒーというよりも、グアバやパイン、ピーチのようなフルーツをミックスさせた味で、爽やかな酸の多重層にしっかりとカカオのコクも舌に乗る。単にフルーティーという言葉で片付けられない、体験したことのないようなエスプレッソでした」

「一方、カプチーノはまるでその衝撃を忘れさせるかのような穏やかでまろやかな味。酸は奥に引っ込み、クリームがカカオを包み込み、最後の最後までとがりのない、本当に優しい味です。このセットの対比が非常に面白くて衝撃的でした」

斎藤氏は自家焙煎のコーヒー店を17年運営しているが、それでも驚きを隠さなかった。コーヒーの好みは人それぞれだが、パナマ・ゲイシャの味に驚く人は多い。しかも作り手は世界最高峰の日本人バリスタだ。まさに世界最先端のコーヒーだったといえる。