iDeCoによる節税額(3人家族)を試算してみた

詳細な節税額は、ご自身の所得税率を調べていただく必要があるのですが、「本人、配偶者、子ども1人」の3人家族の世帯の節税額は以下の通りとなります。なお掛け金の額は、前出の属性ごとの上限額に沿ったものに設定しています。

●年収500万円前後の場合
掛け金 12万円/年→節税額 1万8000円/年
掛け金 14.4万円/年→節税額 2万1600円/年
掛け金 24万円/年→節税額 3万6000円/年
掛け金 27万円/年→節税額 4万1400円/年
掛け金 81万6000円/年→節税額 12万2400円/年

●年収700万円前後の場合
掛け金 12万円/年→節税額 2万4000円/年
掛け金 14.4万円/年→節税額 2万8800円/年
掛け金 24万円/年→節税額 4万8000円/年
掛け金 27万円/年→節税額 5万5200円/年
掛け金 81万6000円/年→節税額 16万」3200円/年

掛け金の上限額が14.4万円の公務員の場合、年収500万円なら節税は2万円あまり、年収700万円なら節税は3万円近くになることがわかります。大した額ではないと思うかもしれませんが、その節税効果は毎年続くので、早く加入すればするほどお得です。そうしたお得感の嗅覚も公務員は鋭いのではないでしょうか。

▼高いと思われがちな公務員の給与「サラリーマンと同程度」

公務員の人は給料が高いからiDeCoに加入しているのではないか。そう考える人もいるかもしれません。しかし公務員とひとことで言っても、いろいろな職種があります。ここでは、国家公務員で一般行政事務を行っている人の給与についてみてみましょう。

写真はイメージです。(写真=iStock.com/st-palette)

国家公務員の給与は、人事院の勧告によって、1年ごとに決められます。民間企業の給与に合わせて、過度に高く、もしくは、安くなり過ぎないように調整することが目的です。

2017年度の国家公務員給与の実態によると、平均月収は41万6969円。ボーナスを加えると(おおよそ4.40カ月分)、年収にして約683万円となります(概算)。

一方の民間企業ですが、2016年の「民間給与実態統計調査」によると、平均年収は422万円。男女別にみると、男性521万円、女性280万円でした。この平均年収は、非正規雇用の人も含まれており、単純に比較することはできません。

国家公務員の平均年齢は43.2歳、平均経験年数は22.0年。課長、部長クラスの人も多く含まれたうえでの平均年収ですので、やや高い数値が出ているともいえます。また、公務員の6割強は地方公務員です。ボーナスの支給率は都道府県によって異なりますが、地方公務員は国家公務員より低いことが一般的です。つまり、公務員全体で考えれば、収入は一般のサラリーマン家庭とそれほど大きな違いはない、という見方もできます。

とすれば、公務員のiDeCoの加入率が高い傾向にあるのは、給与に関係なく、やはり税制優遇のメリットにあるからと考えることができます。フリーランスや自営業の人はもちろん、会社員であっても、公務員よりも多く掛け金を拠出できる場合があります。私たちもこの制度を利用して、老後の資金を作っておきたいところです。

(写真=iStock.com)
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