なぜ塾は「今後、過去問の重要性が高まる」と考えるか

では、受験生はどのような点に気を付けて試験に臨めばいいのだろうか。私は、受験生に次のように指導している。

(1)「おかしい」「解けない」と思ったら、99%は条件の読み落とし(出題ミスではなく、受験生本人の問題)。特に大問の最初の文章を再度読むこと。

(2)残り1%は出題ミス。ここで悩んでも時間の無駄。得点にならないし、配慮もされない。諦めて、他の問題に取り組むこと。

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本当は、「粘り強く問題を考え抜いてこそ、光が見えてくる」と指導したい。一生懸命悩みに悩んで解法や答えを思いつくのは、学力の向上につながる。

しかし、私たちは「塾屋」であって、志望校に合格させるのが仕事だ。だから、「出題ミスは全員満点」という可能性がある以上、条件の読み落としがないと思えるところまで見直してもなお解けない問題ならば、諦めましょうというのが受験に合格するために必要な戦い方だと割り切っている。

今後も出題ミスがなくなることはないだろう。そこで、受験生には試験の注意点だけではなく、受験に向けた学習のアドバイスをしておきたい。今後のトレンドとして「過去問の重要性が増す」と考える。一度、出題されてミスがなかった問題は安全かつ安心だ。学校の先生としても出題ミスは絶対に避けたい。そういうリスクは取りにくい中で、自校の過去問を、数字や設定などを微調整した上で再利用するケースは今後も増していくだろう。受験生には、自分が受験する過去問を古い年度までしっかりやりこむことを推奨したい。