柄スーツ×柄シャツ×柄ネクタイ

自分ではかっこいいと思いながらNGなファッションをしている人は、「オシャレ=目立つこと」と勘違いしている場合が多いです。

高級オーダースーツに多い珍しい柄物、変に凝りすぎた襟のデザインのシャツ、芸術的すぎるネクタイ、ましてやそれらすべてを組み合わせたスタイルはあり得ません。

ビジネスシーンの服装は相手がありきです。知性なきコーディネートは、仮に仕事ができたとしても悪い印象を与えます。

まず、ビジネスシーンにおけるスーツは無地のグレーかネイビーが基本の基本です。派手な色や柄のスーツはふさわしくありません。ビジネススタイルに求められているのは、整ったスタイルのなかの、さりげないおしゃれです。

スーツが目立たない柄物ならシャツは無地あるいは細いストライプに無地のネクタイ。無地のスーツに柄のシャツなら、ネクタイは目立たない柄。つまり無地を組み合わせに入れることで安心感が出ます。イラストのように「井の中の蛙(かわず)」にならないように。

勘違いオシャレ

おしゃれに無関心の人の対極にありながらも、意外とNGなケースが多いのが「自称オシャレ大好き人間」という人が陥りやすい、勘違いオシャレです。先ほどの「オシャレ=目立つ」に近いタイプです。

おしゃれを勘違いしている人にかぎって、派手な色を選びがちです。派手な色の服を上手に着こなす上級者の方もいますが、本当に少ないです。

服装は全体のバランスが第一です。派手な色のアイテムは基本的にビジネスシーンに向きません。たとえば、派手なネクタイを好む人も見かけますが、ネクタイだけ目立ちすぎて全体のバランスを壊し、印象はよくありません。

第一印象は、文字通り一度しかチャンスがないのです。それがその人のすべてと理解されてしまっては取り返しがつきません。おしゃれと目立つだけとは次元の違うものです。一見すると目立たないのにディテールは凝ったおしゃれが、ビジネスシーンにおける正解です。

自分の体形を考慮しない格好

ファッションには当然、流行があり、シーズンごとにパリやミラノで新しいコレクションがたくさんのデザイナーによって発表されています。はやっているからと、自分の体形を考えずに細身のスーツを無理やり着ている人をたまに見かけます。ファッション誌のイタリア人モデルのスナップをそのまま着る、などというのもそうです。

ビジネススタイルで大切なのは、自分に似合い、かつ相手からの印象がよいものです。流行を取り入れるのは悪いことではありませんが、ビジネススタイルにおいての優先順位は高くありません。流行のスタイルを取り入れるよりも、自分に似合っているかどうかが最初の判断基準です。

ビジネスは相手ありきという点からも、服装によって与える印象の優先順位は「信頼感」や「好感度」です。自分の体形・サイズに合ったシルエットを選ぶだけで、見た目の印象も大きく変わります。服装によって、自分自身の欠点をカバーするのか、強調(して失敗)するのかの差は想像以上に大きいのです。