リスクが高まると円高ドル安になり輸入関連企業はプラス

また、北朝鮮最大のターゲットは米国ですから、リスクが高まると米国株やドルは売られる傾向にあります。そのときに回避先として買われるのは円資産です。したがって、円高状態になることが予想されますから、輸入関連企業にとってはプラスに働きます。例えば、家具を輸入するニトリHDやエネルギー資源を輸入する関西電力などが有望でしょう。

反対に韓国経済に依存度が高い銘柄には注意が必要です。韓国も北朝鮮のターゲットになっていますから、韓国への輸出が多い企業は大きな打撃を受けて、株価が暴落する可能性があります。

リスク分散の観点から株式に資産を集中させることに不安を感じる人もいるでしょう。分散投資の対象として注目されるのが、金とビットコインです。金は世界共通の価値を持つ資産として、有事の際に買われる傾向があります。金のETFを利用すれば、保管場所の心配はありません。株式と比較して、値動きは小さいですが、価格も安定しています。つまり、多額の資産を投資できるならば、少しの値動きでも莫大な利益を確保できます。ただ、確実にそれを実現するためには、積極的に値動きの情報を得る必要があるでしょう。

ビットコインもリスク回避先としては有望ですが、有事の際にどのような値動きをするのか、まだデータが少ないのが難点です。このように考えると、金やビットコインは、自分で情報収集や目利きができる人以外には少し難しいといわざるをえません。

それを除くと有望な投資先といえるのは株式となります。ただし、事前に損切りや利益確定の水準を決め、大きな損失を被らないよう自分のスタンスを決めておきましょう。

株師 孔明
個人投資家。AI、IoT、フィンテックなど最も旬なテーマ株のリサーチや最新注目銘柄の情報発信を行う個人ブログ「株師孔明の株ブログ」を運営。FISCOソーシャルレポーターとして「Yahoo!ファイナンス」をはじめとする国内20以上のメディアで独自の考察に基づいた株式投資情報を紹介。
 
(構成=向山 勇 図版作成=大橋昭一)
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