面接に強く、リーダーにも向く

こうなると、自信とは傲慢(ごうまん)さなのかという疑問が出てくる。自信によって私たちは“嫌なヤツ”に成り下がるのだろうか? あいにく、傲慢さがプラスに働く面もある。ナルシシストで鼻持ちならない自信家の王様や女王様は、就職試験の面接で良い点を取るという。そうした研究の執筆者はこう述べた。

「人びとは別にナルシシストを雇いたいわけではないのだが、結果としてそうなりやすい。なぜなら、彼らは自信にあふれ、有能な印象を与えるからだ」

さらに、自信家はリーダーの地位におさまる可能性が高い。自信過剰な態度は、チームの生産活動を高めるが、自信不足は悪影響を及ぼすという。

自信はなぜそれほどまでに強力なのか? 自信があると、コントロールできているという感覚が得られるからだ。マーシャル・ゴールドスミスは次のように説明する。

自分は成功できると信じている者は、ほかの者なら脅威とみなすところにチャンスを見いだす。彼らは、不確実性や曖昧さを恐れず、喜んで受けいれる。彼らは、より多くのリスクを負い、より大きな利益を達成する。選択肢がいくつかあれば、自分自身に賭ける。

成功する人は、「内部要因思考」をする傾向が高い。すなわち、自分は運命の被害者だと考えない。同様に自分の成功も、運や偶然、定めによるものとは思わず、自分自身のモチベーションや能力の賜物(たまもの)だと考える。たとえ幸運によるところが大きかったとしても、成功を引き寄せたのは自分だという信念を持ち続けるのだ。

エリック・バーカー
大人気ブログ“Barking Up The Wrong Tree”の執筆者。脚本家としてウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、20世紀フォックスなどハリウッドの映画会社の作品に関わった経歴をもち、『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』は、初の書き下ろしにして全米ベストセラーに。
(写真=iStock.com)
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