今日多く見られる常にハイペースな職場は、創造的思考に適した環境と対極にある。ハーバード大学のテレサ・アマビールは研究の結果、過度な時間的プレッシャーの下では、創造的な解決策を思いつく可能性が45%減少することを発見した。あらゆるストレスは、創造性のかわりに、「プレッシャーによる二日酔い」とアマビールが名づけたマイナス効果を生みだすという。しかも、人びとがストレスから解放された後も、何日か創造性が低下する現象だ。

本当の意味で創造的になるには、過度の緊張状態から脱して、心を自由にさまよわせる必要がある。空想にふけることは、実は問題解決と類似していると、研究者たちは考えている。この行為は、あなたが難題を解いているときに活性化する脳の領域と同じ場所を使う。空想にふけりやすい人びとが、問題解決に向いていることが研究結果でも示されてきた。

睡眠時間が7時間を切ると優等生も劣等生に

そして休憩といえば、忘れてならないのが、私たちが毎日取る大きな休み、睡眠のことだ。あまたの理由で睡眠が大事なことは言い尽くされてきている(それでも、私は人一倍うるさく言おうと思う)。

当然だが、じゅうぶんな睡眠を取らないと明らかに脳の力が低下する。ワシントン州立大学医学部教授、ジョン・メディナは次のように説明する。

全科目でクラスの上位10%の成績を取っていた優等生がいた。ある調査結果によれば、彼女が平日に7時間未満の睡眠を取り、週末には平日より40分だけ多く眠ったところ、睡眠をじゅうぶん取っている学生の下位9%の成績になってしまったという。

脳の力は、回復するのに思った以上に時間がかかる。2008年にストックホルムで行われた研究では、5時間睡眠を数日続けた人びとの脳は、通常睡眠に戻して一週間たった後でも、まだ100%正常な状態に回復していなかった。

調査によると、睡眠は、意思決定や倫理、健康状態のみならず、インターネットでどれぐらい時間を無駄遣いするかにも影響を及ぼす。また、若さと美容を保つのに良い睡眠が必要なことも証明されている。さらにある調査で、人びとが睡眠不足になる前と後の写真を被験者に見せたところ、睡眠不足の写真では、魅力度の観点からの評価が顕著に低下することがわかった。