舞台や撮影現場と飲み会を一緒にはできませんが、ベースの部分で「すっぽん理論」は使えると思うんです。飲み会も仕事のうち。腹をくくって場を盛り上げたいと思ったら、スカしてる人たちが根負けするくらいのボケを打ち続け、向こうに「もう笑うしかない」と思わせるのも手です。

「この人苦手なタイプ」と決めつけるのはやめよう

冒頭でも言いましたが、嫌いな人や苦手な人と、お金を払ってまで一緒に飲みたくないのがホンネ。でも、組織では、好きな人とだけ付き合うわけにはいきません。どんな相手でも受容する気持ちも大切ですよね。だから「この人苦手なタイプ」だとか「性格が難しそう」とか、そういう決めつけはやめたほうがいい。「自分と価値観が違う」人だとしても、それもその人の個性。しらふの状態ならできないけれど、酒に酔った勢いで自分をぶつけたら、相手のいいところが見えてくるかもしれない。素朴なかわいい部分が見えたり、嫌いな上司からいい話を聞けたりするかもしれません。

ボケや自虐に徹するのは、ものすごく気を使うし、大変なこと。嫌いな人を受け入れるなんてキレイごとかもしれない。でも、「○○さんも頑張ってるんだなあ」と、周囲が思ってくれたら、部署内での自分の評価が上がるし、上司の覚えもよくなります。決して損なことではないですよね。

最後に、ギスギスした職場の飲み会を盛り上げる方法をまとめると――。小ボケを打ち続ける。誰かをイジるか自虐ネタで笑いを共有する。手強い相手を「すっぽん理論」で落とす。ここまでやってダメだったら、うーん、もう諦めるしかないな(苦笑)。

斎藤 司(さいとう・つかさ)
お笑い芸人、俳優
1979年、神奈川県生まれ。会社員生活を経て、2004年にたかしとトレンディエンジェルを結成。15年M-1グランプリ王者になる。「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」(フジテレビ系)に出演。
 
(構成=東野りか 撮影=神ノ川智早 写真=iStock.com)
【関連記事】
仕事でナメられないための「賢語」9選
親しくない人を瞬時に褒めるテクニック3
"毒舌キャラで愚痴ばかり"同僚との接し方
人に聞くことは「自分が聞かれたいこと」
無口な客が饒舌になる「6つの鉄板ネタ」