株価が値動きしてもあまり気にせずに「放っておく」

●積み立て投資の運用

では、どんな金融商品を選べばいいのでしょうか。いくつか種類がありますが、もっともポピュラーで投資を自動化しやすい商品は「投資信託」です。

*写真はイメージです(写真=iStock.com/LFO62)

投資信託とは、運用会社が個人の少額の資金をとりまとめて個別の売買を行い、成果を個人に還元する仕組みです。個人が少額で世界中の株式や債券に分散投資をすることは難しいのですが、投資信託であれば世界中の“株主”になることができる商品がいくつも用意されています。

世界中に分散投資をする投資信託は「バランス型投資信託(ファンド)」と呼ばれています。多くは株式と債券、国内と海外、先進国と新興国といった種別に応じて投資比率があらかじめ定められているので、それぞれのリターンに応じて自動的に投資比率を調整してくれます。

投資というと、「常に株価をウオッチしていないといけない」と思っている人がいるのですが、投資信託ならそんな必要はありません。プロに任せて、放っておけばいいのです。もちろん、プロに代わって仕事をしてもらうため手数料(信託報酬)がかかりますが、年率で0.5%以下という低コストの投資信託も増えています。

▼国の「つみたてNISA」は投資初心者向け

「積み立て投資」をする場合には、国の「つみたてNISA」という制度を利用すると、よりお得です。これは年間40万円までの投資額にかかる運用益が非課税となる制度で、2018年1月から始まりました。金融庁のウェブページでは、「手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組み」と説明されています。

口座を開設し、毎月の積立額を決め、国内外に分散投資する「バランス型ファンド」をひとつ選択すれば、後は自動的に買い付けがスタートします。

株価が上がろうと下がろうとできるだけ「放っておく」のがいいでしょう。売り注文を出すのは、突然、現金が必要になったときだけにとどめましょう。