「積み立て投資」は申し込み後は“ほったらかし”でOK

給与が振り込まれた段階、もしくは振込日翌日に「自動的」に積み立てが行われる環境をつくることが重要です。選択肢としては、

(A)メインバンクで積立定期預金を設定する。
(B)会社の財形貯金に加入し、「天引き」で積み立てる。
(C)iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入して、一定額が毎月引き落としされる設定にして、定期預金を買う。

といったものがあります。いずれも「最初の申し込み手続き」さえ乗り越えれば、自動的にお金が貯まるようになります。

*写真はイメージです(写真=iStock.com/Sean_Kuma)

積立金額については、「手取り月収の10%」に設定できると理想的です。最初は5%程度でもいいでしょう。もしくは「とりあえず月1万円」でも構いません。始めることが先決です。

なお、iDeCoは所得税や住民税が軽減されるため絶大な投資効果がありますが、60歳まで原則解約ができないため、目的は老後資金の積み立てに限られます。基本的な仕組みは過去の記事を参照ください。(「貯金「1000万の壁」を越える人の共通点」

投資を自動化する~自動的に世界中に分散投資する】

貯金の次は投資です。こちらも意外と簡単に「自動化」が可能です。投資については「積み立てる仕組み」と「運用する仕組み」にわけて解説していきましょう。

●積み立て投資の仕組み

投資と言えば、株価や為替の動向を見て秒単位で「売ったり買ったり」するトレーダーのイメージを持つ人がいるかもしれませんが、私たちにはそうした取引は必要ありません。積み立ての定期預金と同じように「積み立て投資」をするのがおすすめです。

株式購入のようにまとまった金額を用意する必要はありません。毎月定期的に入金できればオーケーです。もちろん、投資なので元本割れのリスクはありますが、10年単位の長い目でみれば運用の利回りを得られる可能性は高いといえます。

特に「積み立て投資」のメリットは、「今月は株価が上がっているから投資は見送ろう」「今月は株価が下がっているからパス」「忙しいから今月は投資できなかった」というような場当たり的な一貫性のない行動を回避できることです。

株価が日々細かく上下動していても長い目でみて上昇トレンドにあるなら、継続して投資を続けたほうがリターンは大きくなります。とはいえ、投資のプロではない人がこれを決断・実践するのはそう簡単なことではありません。

その点、「積み立て投資」であれば、投資をするかどうかで迷うことはありません。いちいち決断しなくてすむので疲れませんし、時間をロスすることもありません。