外食・中食が多い家庭と少ない家庭 35年間で840万円の差が!

例えば、外食費が多いA男さん宅と、手作り料理中心で外食費が少ないB男さん宅を比較して、30歳から65歳まででトータルどれくらい差が出るか試算してみよう。

前掲の調査データによれば総世帯の外食費の平均月額は1.2万円だったが、A男さん宅の外食費(総菜やテイクアウトなどを含む)を月3万円、B男さん宅の場合を月1万円とすると、両者の差額は35年間で840万円にものぼる。

・A男さん宅:3万円×12カ月×35年間=1260万円
・B男さん宅:1万円×12カ月×35年間=420万円

また、昼食代だけを見ても、A男さんが市販の弁当(平均800円)を購入し、B男さんが手作り弁当(実費300円)を持参し続けたとすると、両者の差額は35年間で420万円になる。

・A男さん宅:800円×20日(月の勤務日数)×12カ月×35年間=672万円
・B男さん宅:300円×20日×12カ月×35年間=252万円

たかだか昼食代と侮っていたが、毎日のことだけに、「ちりも積もれば山となる」の典型例だろう。Aさん、Bさん宅における、外食・中食・昼食代の合計の差を算出すると、35年間で1260万円という巨額なものになるのである。つまり、家庭内に節約家で毎日マメに料理する気概とノウハウを持つ人物(本人か配偶者)がいれば、それだけ食費のコストダウンにつながる可能性がある。その節約したお金を貯金していけば1260万円という「マンションの頭金」に匹敵するほどのお金が貯まるということになるわけだ。

▼ただし、こだわり食材の手作り料理は高くつく
写真=iStock.com/tdub303

ただ、注意しておきたいのは料理を手作りすることが必ずしも節約になるとも限らないということだ。有機野菜や調味料、お米、小麦、添加物などにこだわれば、外食しなくとも食費は跳ね上がる。

あるいは、「おひとりさま」や高齢者夫婦など、食べる量が少ない家庭の場合、食材を購入しても食べ切る前にダメにしてしまうことも多い。それなら、多少割高でも総菜を購入したほうが光熱費もかからないし、台所や食器も汚れず、家事の「コスト」を省くことができる。