月収5万円なら親亡き後の独身生活にもゆとりも生まれる

グラフを見てわかるように、両親が寿命まで生きている間は年金収入があるので赤線の貯蓄残高はさほど減りませんが、2人とも他界すると、貯蓄を少しずつ切り崩していくことになります。よって、赤線は右肩下がりとなりますが、長男が60歳までの約30年間、月数万円の収入を得て貯金に回していけば、月収3万円の場合も5万円の場合も、赤線の下がり方が“緩やか”になります。

仮に月収3万円の仕事を続けられれば、80歳までに貯蓄が枯渇するのを避けられ、さらに月収5万円であれば、老後に多少なりとも余裕が生まれます。まさに「ちりも積もれば山となる」のです。

「仕事をすると言えば、正社員になることしか考えていませんでしたが、少しの収入を得るだけでもかなり違ってくるのですね」(父親)

今までは、「仕事をする=正社員になる」、もしくは「仕事をしない=まったく働かない」の2つしか、道がないと思い込んでいたようです。「少し働く」という生き方も考えてみたいものです。