フリーランスの社会的信用は、なきに等しい

クレジットカードやローン、アパート・マンションの賃貸契約など審査が必要なものは、フリーランスになる前にリストアップして、先に審査を通しておくことをおすすめします。契約者の「経済的な安定性」を審査されるとき、フリーランスは審査に通りにくいからです。

会社員だと、クレジットカードや賃貸契約の審査に落ちることを、なかなか想像しづらいかもしれません。ところが、「会社」という後ろ盾がないフリーランスになってみると、クレジットカードや賃貸契約、銀行口座、住宅ローンなどの審査にバンバン落ちます。

写真=iStock.com/Kenishirotie

いってみれば、フリーランスの社会的信用度は、なきに等しいのです。しかも、審査に落ちると「この社会で、君は成功しない」といわれているようで、精神的にもとてもショックを受けます。

実際、知人のライターも、「会社員時代と違い、フリーランスになったら、クレジットカードがつくれなくなった」と嘆いていました。比較的審査の通りやすい「LUMINEカード」の審査に、年収が同じくらいの会社勤めの友人と一緒に申し込んだところ、友人だけ審査に通ったので驚いたそうです。

審査が通りやすい方法で申し込む

社会的信用の低いフリーランスでも、賃貸契約の種類によっては、審査を通過できることがあります。

フリーランスの人が賃貸契約をするときは、「UR賃貸住宅」がおすすめです。UR賃貸住宅は、基本的に収入か資産だけでしか判断されないので、フリーランスでも年収300万~400万円ほどの安定した収入を稼いでいれば大丈夫です。さらに、礼金、保証人が不要で更新費用もかからず、支払った敷金は退去時にたいてい95%以上戻ってくることもあり、私は都内のUR賃貸住宅を渡り歩いています。

賃貸契約の審査が通りにくい個人事業主向けに、家賃保証の審査をしてくれる商品設計や仲介商品を提供している不動産会社「Livmo.inc(http://livmo.co/)」を利用するのも手です。Livmoでは、個人事業主でも安心して部屋探しができるように、連帯保証人なしで審査に申し込める家賃保証サービス「ノマド保証プラン」を提供しています(プラン利用料は、家賃の70~100%程度)。

「ノマド保証プラン」は、過去の売上からわかる事業の安定性や、現在の預金額などを総合的に判断して、審査を通過させる仕組みです。そのため、昨年の事業所得が赤字でも、過去にクレジットカードや携帯代金の支払いに若干の滞納があっても、審査を通過できる可能性があります。

ただ、現在も消費者金融に借金の返済をしていない人や、携帯代を支払っていない人などは、審査を通過するのが難しいかもしれません。何はともあれ、クレジットカードや賃貸契約をはじめとする審査は、独立前の会社員時代に通しておくのが理想的です。