親権争いで妻に白旗を上げさせた「夫の言葉」

過去10年間の結婚生活を振り返りながら、亮一さんは時々、涙ぐみました。

生活や育児の仕方について、自分からなにを言っても、無視・逆ギレ・難癖をつける……。亮一さんによれば、妻のほうが職業上の肩書が上(夫は平社員)ということもあって、とにかくプライドが高く、批判を素直に受け止められない。だから、すぐかんしゃくを起こす傾向があるのだといいます。

でも、第三者の私からすれば、それはプライドうんぬんの問題ではなく、単に母親としての責任感の欠如を露呈させただけのように見えます。そして今後、こうした妻の態度が変わるとは考えられません。

昨年末、意を決して、亮一さんは妻に離婚を申し出ました。そして親権を持つにふさわしいのは自分である、と前述のような事例や根拠を淡々と説明したそうです。

例によって逆上した妻でしたが、しばらくすると、急に「もう一度、チャンスを与えてほしい」と泣きついてきたといいます。しかし、亮一さんは「悪いけれど、信用できないよ。これからも翔太、隼太を傷つけ、悩ませ、困らせることは目に見えているよ」と応じなかったそうです。

▼「今までの自分の行いを振り返ってみてよ」

今回のケースでは、家事・育児のほとんどを亮一さんが担っていました。夫婦の離婚が避けられない場合、夫と妻のどちらが親として適しているかを、家庭裁判所などが判断することになります。

*写真はイメージです(写真=iStock.com/Michael Burrell)

亮一さん夫婦の場合、妻がやっていた家事・育児の量は微々たるもので、亮一さんがそれを引き受けられれば、離婚による子供の生活環境の変化も最小限にとどめることができます。妻は親権争いに挑んでも「敗色濃厚」と感じているようでした。そんな妻に亮一さんは静かに語りかけました。

「今までの自分の行いを振り返ってみてよ。翔太、隼太に十分な愛情を注いできたって自信をもって言える?」

すると妻はようやく観念したのでしょう。離婚に同意し、親権を断念し、離婚後は亮一さんが長男、次男を引き取ることが正式に決まったのです。