LGBTや外国人が働きやすければ女性も働きやすい

【野原】多様性でいうと、障害者雇用促進法では企業が従業員の2%、障がい者を雇用することを義務付けていますよね。でも、実質が伴っていないように見えます。

【寺島】私が接する障がい者スポーツの選手には、ふだんは企業で働いている人が多い。働きやすくなっていると思いますが、採用されない場合も……。

【葉山】うちの会社にもその枠で採用された人が数人います。でも、比較的軽度の障がいですね。

【野原】やはり多様性を実現するには、企業が性的マイノリティーや障がい者に価値を見いださないと、難しい。現状、日本の経営者はそう考えていないのかな。

【石田】たしかに。女性の活躍でさえ、やっとという感じですから。

【野原】この時代、同じような属性の人を集めても、アイデアが出ないし、会社は成長しない。それをわかってくれるといいですね。

【葉山】LGBTの場合、まず言葉の意味が世間に認知されていないので、安倍総理が説明してくれたら、一気に理解が広がるのでは?

【野原】同時に外国人の雇用もどんどん進めればいいと思います。

【谷口】うちの会社は中国、韓国の人が多くて、ひとつのプロジェクトチームにひとりはいます。みなさん優秀で、新人賞を外国の人が総ナメということも(笑)。

【石田】物流業界にも外国人はいますが、雇用の仕方が下手なんですよね。日本語を話せる人を採用し、日本人と同じ仕事をさせている。そうではなく、独自性を活かせば競争力になるはずなのに。

【野原】現状、外国から来た人は、携帯電話を契約するだけでも大変ですし、住むところを見つけるのにもかなり苦労しているんです。

【谷口】本当はそういう生活基盤を整えてから、迎えるべきですよね。日本の労働人口が減りつつある今、大企業にはまだ余力があるはずなので、国がもっと企業のお尻をたたいて労働環境を改善するよう促してほしい。

【石田】多様な人が働ける環境になれば、自然と女性も働きやすい職場になるはずですよね。

▼「LGBT、外国人、障がい者の活躍推進」に関して

さらなるダイバーシティの推進について、下記により要望いたしますので、よろしくご配意賜りますよう、切にお願い申し上げます。

(1)そろそろ、女性に特化したダイバーシティからの卒業を
緊急度が高いことがわかれば、動く企業は増えるはず。LGBT、外国人、障がい者の活躍推進についても企業のお尻をもっとたたくべき。

(2)外国人人材の生活の基盤が必要
日本で働くにあたって、住まいを探しやすくするなど、まず、生活の基盤を整備することが必要。

以上 座談会参加者 一同