ラーメンならチャーシューメンにする

「食生活」については、吉岡氏は「MEC食」を推奨している。「MEC食」は、医師の渡辺信幸氏が提唱する食事法。MEAT、EGG、CHEESEの頭文字から取っており、肉、卵、チーズを積極的に摂るということだ。

「歯の健康を考えたときに、必要な栄養素はタンパク質、鉄、亜鉛、ビタミンB群、脂質などです。これらの栄養素を意識的に摂っていくことで、虫歯や歯周病になりにくい体質になることができます。これらの栄養素を効率的に摂るために、わかりやすいのがMEC食なのです」

ビジネスパーソンであれば、昼食はコンビニ弁当や外食で済ませるという人も多いだろう。そのメニューを選ぶ際、ラーメンならチャーシューメンにする、牛丼なら卵を追加する、パスタならカルボナーラにする。少しでも「肉、卵、チーズを食べる」ということを意識してほしい。

せめて噛むときは箸を置く

次に大切なのが「唾液」だ。唾液の中にはリゾチームやラクトフェリンといった天然の抗菌成分が含まれている。唾液の量が多ければ、それだけバクテリアの繁殖を防いでくれるのだ。

「口の中はpHが中性であるのがベストです。唾液の量が多く、質もいい人は、中性に保つ能力が高い。また唾液が多いと口臭も少なくなります」

水分摂取量の少ない人、コーヒーや緑茶、ウーロン茶などを水代わりに飲んでいる人は、カフェインなどの影響を受けて唾液が出にくくなる。また、あまり噛まずに食事をしている人や、普段上下の歯を接触させる癖(TCH)や、噛み締める癖がある人も唾液が少ない傾向にあるという。

「唾液の量が少ない人ほど唾液の質も悪くなりやすいと感じます。唾液も亜鉛不足やタンパク質不足など、栄養面での偏りが影響するので、MEC食は効果的。食習慣の面では、噛むことを意識しましょう。ものを食べるときは、30回以上噛むのがベスト。消化の面でも体に優しいです」

なかには、多忙で仕事をしながら食事するのが日常という人もいるだろう。そんな人は、せめて噛むときは箸を置くようにしてほしい。箸を持ったまま噛んでいると、つい次のものを口に運びたくなるからだ。