記述問題の書き方で不合格にならない対策5

わたしは連日中学受験生たちの記述答案を添削しているのだが、記述の内容うんぬんではなく、ちょっとした不注意で減点対象になってしまうポイントが少なくないことに気づいた。

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そして、そのポイントこそ、中学入試直前期の今、親が子にアドバイスできることなのだ。科目ごとの知識を知らなくても、ものを書く行為は多くの大人が仕事などで日常的にしているからだ。模擬試験などの記述問題で○がつかず、△の多い受験生にとってはこの書き方のポイントに注意するだけで最大+10点が見込める。もちろん「加点の幅」には個人差があるが、過去の事例を振り返るとこの予測は決して大言壮語ではない。

記述で減点されないためのチェックポイントをシンプルに5つに分類して紹介したい。

★減点されないコツ1
設問の条件を見落とすな!(+2点)

例えば、国語や社会。子どもの記述内容が「問われていること」にちゃんと対応しているかをチェックしよう。設問に線を引かせるなりして、一度じっくり立ち止まらせ「何を答えるべきか」「どんな構成で書くか」を明確にした上で解答作業に取りかからせてみよう。

▼ポイント
(1)
問われている内容を心の中でつぶやかせる。
(2)文末をどのような形で終わらせるのかを確認させる(例:『●●はなぜか』との質問には『◯◯だから』と答える)。
(3)順接、逆接など、どのような組み立てで記述を構成すべきなのかを考えさせる。
★減点されないコツ2
主語・述語の不一致を防げ!(+2点)

主語と述語が一致していない書き方をする子どもは多い。大きな理由は、記述の一文が長すぎて、収拾のつかない文章になっていることだ。

【主語と述語が不一致の例】
トレーニングジムに通い均整のとれた体にしようとしすぎる女性が逆に体調を崩すケースが多いと指摘している筆者はその危険性を訴えている。

▼ポイント
(1)
長い一文を作ってはいけない。二文あるいは三文で仕上げ、一文をできる限り50字以内におさえよう。そうすることにより、主語・述語の距離が近くなるため両者の不一致を防ぐことができる。
(2)述語に当たる部分を見て、それに対応する主語がちゃんと書かれているかをチェックさせる。

【主語と述語が一致した例】
(上の【主語と述語が不一致の例】を次のように2文に分けてみよう)
筆者はトレーニングジムに通い均整のとれた体にしようとしている女性は危険だと指摘している。なぜなら、かえってそのような女性が体調を崩すケースが多いからだ。