ワーキングウーマンはみな広いマンションを購入していた

●成都に美人が多い理由4
ひとりで約100平方メートル超マンションの悠々自適

今回、成都女子たちに話を聞いて一番驚いたのが、みな独身なのに、広い部屋に住んでいるということだ。就職したら、ローンを組んで床面積約100平方メートルくらいの分譲マンションを買うのが当たり前だという。

成都での大卒OLの月給は、3000元~5000元くらい(約5.1万円~約8.6万円)だが、毎月2000元をローン返済に回している女性も少なくないそうだ。

最近は地価や物件価格も高騰しているようだが、上海などに比べたら格段に安い。しかも、ひとりっこなので、たいてい親が頭金を払ってくれる。「マンションは買ってもらった」と全額を親に甘えてしまうケースも少なくないそうだ。前出・張さんもマンション(広さは130平方メートル、10年前に購入)の資金を親が全額負担(80万元、約1200万円)してくれたそうだ。ちなみに、今、同程度の物件を購入しようとすると3倍以上の260万元(約4470万円)ぐらいはかかるそうだ。

男性も働き始めるとマンションを買うことが多く、結婚すると自分所有の物件を人に貸して家賃収入を得て、新しいマンションをふたりで投資的に買うのだという。投資はマンションのほかに株やファンドもやっていることが多い。

▼「手元にあるお金は遠慮なくおしゃれに使っています」

……というように総じて衣食住にあくせくしなくてすみ、ひとりっこゆえ親の支援を独り占めできる、ゆとりある生活が若い女性たちを不美人にするはずがない。

取材した4人は異口同音に語る。

「生活に不満はありませんし、ストレスも感じません」
「お金はあればあるだけ、遠慮なくおしゃれのために使っています」
「貯金はあまりしないです。将来に対する不安も特にありませんから」
「今後も生活のレベルは落としたくない」

まさに消費生活を存分に楽しみ、人生を謳歌しているといった感じだ。取材したひとりの口紅は資生堂の最高級ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」で、口紅1本700元(約1.2万円)だ。

ただ、130平方メートルのマンションにひとりで住む張さんに「ホームパーティーなどをするのか」と聞くと、「しませんよ」とのこと。家族は集うけれど、友達は来ないようだった。ひとりぼっちでさびしいのではないかと思うのだが、「猫と一緒に暮らしている」とのことでそんな雰囲気はない。ワーキングウーマンとしてしっかり自立している印象を受ける。食事も、外食費が安いので外で食べることが多いという。ちなみに、中国のマンションのキッチンは、部屋の大きさに反比例して小さい。