「自分の社長在任中は給与制度はいじらないでくれ」

会社が変わる、事業が変わるというときに、仕事キャリア30年以上のベテランがゼロから新たな能力を身につけるのは確かに難しいかもしれない。新規事業を立ち上げることで本人にそう感じさせることで、自然と人員も整理でき、大きな労力のかかる賃金制度改革を先送りにできるのかもしれない。

本来であれば役割や貢献度に見合った賃金制度に変革すべきなのだ。だが、前出コンサルタントは指摘する。

「貢献度に連動した制度に変えることを経営トップが決断すると下も動きやすいです。でも、制度を変革すると社員からの反発も強い。経営者の中には在任中の2~3年の間に波風を立てたくないという人も少なくありません。自分の在任中は制度をいじらないでくれと私たちに堂々と言う経営者がいるのも事実です」

▼「中高年の処遇」が会社選びの指標になる

もちろんこうしたことをやっているのはバブル入社組に冷淡な企業が多い。最初は荒波を立てたくないので、小手先の操作で賃金を引き下げようとする。それも徐々に限界に達して、最後はリストラという流れである。

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しかし、こうしたことを続けると中高年の仕事に対する意欲が失われるのは言うまでもない。今後も生き残っていくのは、バブル入社組を含むベテラン社員が持っているポテンシャルを発揮させるよう地道に努力している企業だろう。

中高年に対して会社がどういう処遇を行っているのか。これは新卒や若い社員、転職希望者にとっても会社選びの指標になるはずだ。