「浪費や衝動買いの失敗」をお年玉でさせる

そして、本当に必要なのは「自分で考える」というプロセスの経験と、「失敗をする」ということです。

適切なゴールに親が導いてしまうことは簡単です。しかし、それは親の希望するゴールであることも多い。それでは、本人がお金について考える機会はありません。使い道について親が適宜相談を受けて関わることはかまいませんが、自分なりに使い道を考えさせることが大切です。

例えば、「紙に欲しいモノを自由に書き出し(親はダメ出ししない)」「金額は希望順などで並べ替える(親はアドバイスしていい)」、などのプロセスを経ることで、子供はお金の使い方を覚えていくのです。もちろん、自分で考え、うまく買い物ができ、それを楽しめた場合は、上手に使えたことを褒めてあげてください。

▼大人になってお金で失敗するよりお年玉で失敗したほうがいい

お年玉に関して、もうひとつ大事なことは「失敗」の経験です。失敗の経験をその後の人生の糧になります。転んでヒザをすりむいた人は転ばない歩き方を考えます。テストで間違えた人は、次は間違えないようにします。手痛い失恋をした人はその経験を活かして同じ過ちを犯さないようにすることができます。

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お金の使い方も同様です。社会人になってから「衝動買いで250万円の車、全額ローンで買っちゃった」とか「急に行きたくなったからリボ払いで20万円の旅行プランを組んできちゃった」というような買い物をさせてはいけません。こうした衝動買いが続けば、老後まで続く本人のマネープランはかなり危ういものになるのは必至です。

しかし社会人になった子供のお金の使い方をあれこれ口を出すわけにはいきません。子供が社会人になる前、できればおこづかいやお年玉のレベル、数千円から数万円のレベルで失敗をさせておく。そのことが本人の将来にとっていいことなのです。