子ども3人に湯水のようにかける「教育費と食費」

支出のなかで目立つのは、月12万4000円の教育費、そして月9万3000円の食費です。3人とも公立学校に通っているのに、なぜこんなに教育費がかかるのでしょうか。子どもたちを塾に通わせているのは「受験に備えて」ということですが、次男と長女はまだ高1と中1です。子どもたちに聞くと。「友だちがみんな通っているから」と話します。3人がそれぞれ2つの塾に通って、1人あたりの塾代は月4万円。これでは教育費がふくらむのも当然です。

*写真はイメージです(写真=iStock.com/danielvfung)

食費も、「普段の食事はぜいたくしていない」(Jさん)といいますが、それでは月9万3000円になるはずがありません。理由を探っていくと、これも子どもが関係していることがわかりました。塾へ行く前に「小腹がすいた」という子どもたちのために、インスタント麺や冷凍食品、お菓子などを大量に買い置きしていたのです。学校から塾へ直行する場合は、「コンビニで何か買いなさい」と小遣いのほかに、夕食代を渡していました。

冷凍食品やお菓子を家に常備しておくと、子どもは塾の前の「間食」が当たり前になってしまいます。それに慣れれば、夕食まで我慢することはできません。親は食材のストックが底をつきそうになると、「なくなったら子どもがふびんだから」とせっせと買い足しをする。そんな悪循環になっているようです。

▼収入を使い果たし、足りなければ貯蓄を切り崩す悪循環

その他、気になる支出はまだありますが、主に子どもにかかるお金が原因となり、収入分をすべて使い果たし、足りなければ貯蓄を切り崩すという悪循環に陥っているようでした。貯蓄を減らさず、むしろ増やしていくためには、毎月の収入の中での「やりくり」が必要です。

はじめは、「かかるものはかかるのだから(結果的に赤字になっても)仕方がない」と話していたJさんも、次第に、ボーナスが増えたのに貯蓄が100万円も減ってしまった事実を直視するようになり、自分の考えは間違っていたと考えるようになりました。

「(住宅ローンの早期返済などの)希望をかなえるには、支出のこだわりをなくし、妥当な節約をしていかなくてはなりませんね」

こうアドバイスすると、「わが家の場合は、どのようにする事が一番よいのでしょうか」とJさん。やらなくてはいけないという気持ちになってくれたようです。