短時間だけ集中することのメリットは、そのほかにも考えられます。

たとえば、いつも10分間かかっている作業を、今日は「3分で片づける」と思うと、自分を追い込み、短時間に集中して成果を出そうという思いが強くなります。

人は追い込まれると、脳のリミッターが外れ、潜在意識が働きだし、無限のパワーが発揮されるのです。

追い込み方には注意が必要

ただし「なにがなんでも3分以内で」という意識が強くなりすぎると、その作業を「こなす」ことが目的となってしまいます。それではいい仕事になりません。

集中力を発揮するのは、完璧な仕事を遂行することが目的です。

だから、ストップウォッチを3分に設定するような仕事のやり方は、むしろ逆効果になりかねません。大切なのは短時間だけ集中することによって、潜在意識を活性化させることです。

あなたにとって集中できる最小単位が「5分」であれば、5分を一単位として、その時間でできることを考えてみてもいいでしょう。

「ピリオダイゼーション」を駆使して、目の前の作業に臨んでみましょう。

高生産性を実現する睡眠

私自身はそれほど睡眠の質にこだわっていません。

「できることなら眠ることなく働き続けたい」
「24時間仕事ができれば、それほどうれしいことはない」

そう思っている人間なので、眠ることにさほど意識が向かないのでしょう。

井上裕之『なぜ、あの人の仕事はいつも早く終わるのか?――最高のパフォーマンスを発揮する「超・集中状態」』(きずな出版)

就寝時間もとくに定めていないので、必ず夜10時には寝るというような習慣はありません。疲れを感じた時間に床に就くだけです。夜9時、10時に休む日もありますが、たいていは深夜12時から1時くらいに就寝します。眠れないなら割り切って、仕事か趣味に時間を使ったほうが有効活用できます。

身体を動かしたり、雑誌を読んだり、なんらかの活動に時間を使ったほうがいいでしょう。

なぜなら、眠りもせず、かといって何をするでもない時間を過ごしても、潜在意識は活性化しないからです。

また、ボーッとした時間を過ごしてそのまま睡眠に入ると寝起きも悪く、その日は一日中、集中力を欠き、仕事の成果も出にくくなります。