究極のパラサイトシングル 無心を繰り返す長男

支出をご覧いただくとお分かりの通り、母親の生活費は、年金と同額程度。買い物以外で外出することはほとんどなく、月の生活費は10万円ほどに抑えています。日々の生活費は、年間120万円程度。残りの40万円程度は、固定資産税や長男の国民年金保険料などの特別支出になっています。

写真はイメージです。写真=iStock.com/Nayomiee

一方の長男は、月30万円の親からの仕送りで暮らしています。家賃10万円の賃貸マンションに住み、生活費も20万円くらい使っています。もらったお金は“残さず使う”のが、習慣化しているようです。

自炊はほとんどせず、食事はコンビニでお弁当を買ってきたり、外食で済ませたりしています。さらに、週に2~3回はバーやスナックにも通っています。月に30万円の生活費では足らずに、無心する機会も少なくありません。本連載に登場するのは、働かず自室に閉じこもったままの子どもが主ですが、今回の48歳の長男の場合、ひきこもりというより、極度のニート、もしくは究極のパラサイトシングルといったほうがいいかもしれません。

このご家庭では、亡き夫が退職した20年くらい前には1億円超の預金がありました。夫が亡くなるまでの年金額は、年に300万円を超えていました。300万円を超える年金をもらっていても、年間に360万円以上かかる長男の生活費と、これから紹介する「結婚問題」で、かなり貯蓄が減りました。

▼過去に3回の結婚歴あり。4回目の結婚を画策中

長男は過去に2回の結婚歴と、結婚未遂歴(入籍なし)が1回あります。いずれも相手は東南アジアの女性で、バーやスナックで知り合った女性だったそうです。

「働いていなくて、友達もいないのに、このままずっと、ひとりで暮らしていくなんて、寂しくてやりきれない」

長男はそうした思いが強いそうで20代で一人暮らしを始めた頃から、結婚相手を探してきました。その結果、3人の女性と暮らしましたが、いずれも長続きはしませんでした。別れた理由については、聞いても話しませんが、別れるときには慰謝料として、数百万円を渡したこともあったそうです。もちろん、本人は預金をまったく持っていませんので、慰謝料は母親が用立てました。

そして現在、4回目の結婚を目指して、東南アジアから働きに来ている女性に猛アプローチ中です。その女性から、たびたびブランド品をねだられているらしく、無心される金額が数十万円にのぼることもあるそうです。結婚そのものに反対しているわけではないものの、過去に結婚した時よりも、結婚する前から相当な支出があることで、母親の心配は尽きません。