こうなってはいけない「迷宮母」の共通点5

▼迷宮母の特徴3:「高スペック機能付きスキャナー母」

隣の芝生が青く見えてしまうことは誰にもあるが、このタイプはその「度合い」が尋常ではない。比較する相手が、自分より「上か、下か」を瞬時に感じ取ってしまう。いわば「敏感肌」とでも呼ぶべき母である。

周囲と自分を常に比べている状態にあるので、劣等感と優越感のはざまに苦しみ、毎日がとてもつらいのだ。子どもに関しても、学校の成績や運動能力などを他の子と比べ、少しでも上へ行けるようにわが子をせきたてる。そうした母が共通して言うことは、「子どもに劣等感を味わわせたくない」。だが、実際は自分が劣等感を味わいたくないだけなのだ。

そもそも人は、あらゆることに違いがあるから面白いのだということを理解しよう。「上か、下か」という価値観の中に「幸せ」は存在しない。

▼迷宮母の特徴4:「『まっ、いっか』がない完璧主義母」

このタイプの母は、我慢強く、他人への気配りにもたけている「良い人」である。しかし、その反面「完璧ではないわが子」を承認することができず、その結果、親子で出口の見えないトンネルの中でさまよう恐れがある。

例えば、テストで子どもが98点を取ったとして「あと2点で満点だったのに!」と小言を言うか、「すごいね、高得点じゃん!」と言うか。これは大きな違いである。前者の母はきっと、「98点という現状に満足せず、もっと上の100点を目指せ」ということを伝えたいのだろう。やはり「良かれ」と思ってあえて辛口評価をするのだが、いつもネガティブな評価だと、子どもを萎縮させてしまう。

完璧主義母は減点法で採点しがちなので、まずは自分自身を加点法で採点する癖をつけよう。自身とわが子の「ありのまま」をほんの少し、認めるだけでも生きやすさは変わる。

▼迷宮母の特徴5:「人生を楽しめていない母」

自分自身の人生を楽しんでいる母は自分のことを信じている。私の友人の名言に「親にできることはただひとつ、信じることだけ」というものがある。彼女は最近、めでたくおばあちゃんになり、名実ともに「母卒業」となった。そして親業を振り返ってこう言った。

「親にできることって、実は少なくて、もしかしたらこれだけかも。『親にできることはただひとつ、わが子の決断を信じること』」