(4)経営陣の関与

すばらしいアイデアも、それを実現に導くための組織的な枠組みがなければ実行されない。シュナイダーは設計チームの改革案を単なるレポートや調査で終わらせないために、いくつかのグループをつくった。

第1に、トップ・リーダーがこの取り組みに積極的に関与し、毎月、会議を開いて進捗状況をチェックするとともに、きわめて重要な問題の解決にあたった。第2に、プロセス・オーナーたちと他の少数の業務マネジャーで構成されるプロセス評議会が結成された。このグループは、改善案を戦略に結びつけ、先頭に立って業務改革を進めることで業務パフォーマンスを向上させる責任を負った。第3に、新規業務獲得プロセスに関係するさまざまな部署の部長を集めたチームを結成し、このチームが新しいプロセス設計の実行を主導した。これはとくに重要で難しい役目であり、部長たちには、自分の部の関心事だけにとらわれるのではなくプロセス全体のより大きな目標に焦点をあてることが求められた。

(5)現場を参加させる

業務革新の真価が問われるのは現場である。現場の社員は、自分たちの日々の仕事の内容や、やり方を変えるよう求められることになる。多くの社員にとって、これは難しく、ときには苦痛にさえ感じられる経験であり、社員は、それを逃れるためにあらゆる種類の言い訳を見つけるだろう。そうした変化を社員にいきなり要求したのでは、失敗は目に見えている。また、会社の財務目標が云々という説明をするだけでは、彼らが新しいやり方に適応する助けにはならない。シュナイダーは賢明にも、再設計の取り組みの最初から一貫して現場を参加させた。新しいプロセスの開発中に1000人の社員にそれを体験させて、自分たちは被害者ではなく参加者であるという感覚を持たせ、彼らが従来のやり方の欠点と新しいやり方の効果の双方を認識できるようにした。

(6)行動重視

完璧な新しいやり方を設計しようとする企業は、たいてい何もできずに終わる。アイデアをいじくり回し、手直ししている間に改革のはずみが失われ、生み出されるソリューションは仰々しすぎてとうてい実行できないものになる。シュナイダーは賢明にもこの落とし穴を避けて、「70%で実行」という原則を採用した。このアプローチはコンセプトをテストすることを可能にし、改革のはずみや経営陣の姿勢に対する信頼を高め、早期に効果を挙げることで批判を黙らせ、疑いを吹き払ってくれる。

改革後の新規業務獲得プロセスは、さまざまな点で従来のものとは異なっている。しかし、この新しいプロセスは、けっして業務革新の最終ゴールではない。同社では、さらに効率的に顧客をサポートできるよう、技術の進歩を活用した、さらに新しい設計を生み出すための新たなプロジェクトが開始されている。

(翻訳=ディプロマット)