お手本はバスケ選手

現代人は、仕事が忙しくなればなるほど座りっぱなしで運動不足になりがちだ。同じ脳番地を使い続けているとストレスがたまるが、そのストレスは脳への酸素供給がうまくいかないことが原因。ちょっと違う脳番地を使うことによってリセットされる。運動によるリセットは手軽でやりやすい方法だろう。営業の外回りで1日中動いているような人は別として、1駅分くらいなら電車やバスに乗らず歩くなどして、体を動かすことが脳のコンディションを整えることになる。それになにより、運動をすることで持続性と集中力が高まるのだ。

「家が駅から遠いとぼやく人は多いですが、本当はそういう人はラッキーなんです。駅から徒歩15分の人は、徒歩5分の人に比べて間違いなく脳の状態がいいはずです」(加藤先生)

週末はスポーツで汗をかくようにするのはもちろん、1日中パソコンのモニターを睨んでいて疲れた日こそ、帰宅後はジョギングをしたほうがいい。ウオーキングなら1日7000歩以上、1週間で5万歩以上を目標にしたい。

「運動の種類は何でもいいですが、スタートとストップを意識するとさらに効果的です」(同)

運動を始めるときはともかく、終わらせるときは「疲れたからこのへんで終わろうか」というように、徐々にやめることが多い。そうではなく、たとえばバスケットボールの選手が素早い動きをピタッと止めるように、「ここで終わり」という意識をしっかり持つようにする。すると日々の生活でもオンとオフの切り替えが楽にできるようになるのだ。なかなか仕事に取りかかれないわりに、帰宅後、いつまでも仕事のことが頭から離れずリラックスできないという人は、ぜひ試してほしい。