イニシアティブをとって動くことを示す

3つ目のSは「Specify(明確に)」。「できるだけ」「なるべく」などの曖昧な言葉を避けて、何を、いつまでに、どうしてほしいか、という点を具体的に伝えます。

4つ目のIは「Inform(知らせる)」。引き受けたときのメリットと断ったときのデメリットをありのまま伝えます。これは相手が承諾するかどうかの判断材料になります。

締めくくりには、「行動につながるクロージング」があると、より効果的です。メールでも口頭でもかまいません。「私も明日までに○○しておきます。もしも何かあったらご連絡ください」と頼んだ側が、イニシアティブをとって動くことを示します。一方的に頼むばかりでは相手に対して失礼。これなら「念押し」とは違う印象になります。相手を尊重する気持ちが伝われば、気持ちよく依頼を引き受けてくれるはずです。

▼「遠慮」はただの自己都合。必要なのは相手への「配慮」

大串亜由美
グローバリンク代表。日本HP人事部門に14年在籍。コンサルティング会社を経て、1998年に独立。16年連続250日以上の研修実績。『研修女王の最強3分スピーチ』など著書多数。
 
(構成=山川 徹)
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