400億円もの追加出資が行われた新銀行東京。前回、天文学的数字が並ぶ、史上まれにみる同行の財務諸表について取り上げたが、さらにその問題点について会計的視点から見ていきたい。

別表は新銀行東京の平成19年3月期決算短信をもとに財務分析を行ったもの。同業他社との比較によって問題点が浮かび上がることが多いため、横浜銀行、東京都民銀行との比較を行った。

前回も述べたが、新銀行東京は経常収益からみた営業経費が異常に高い。経常収益に占める営業経費の割合は約130%に達しており、横浜銀行の36%、東京都民銀行の55%を大きく上回っている。横浜銀行はかなり健全、東京都民銀行もまずまずの水準であり、新銀行東京は驚愕の悪さ、といったところだ。

他行との比較でわかる悪すぎる指標
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他行との比較でわかる悪すぎる指標

昨今、銀行にとっては投資信託や保険商品の販売手数料なども収益の柱となっているが、預金を集め、それを貸し出すことで利ざやを稼ぐことは銀行の本来業務といえる。銀行がどれだけ資産を有効活用できているかは、総資産に占める貸出金の割合で推し量ることができる。

横浜銀行や東京都民銀行では総資産の7割前後が貸出金に回っており、資産効率は高い水準にある。対して新銀行東京では4割にも満たず、資産を活かした経営がなされていない。

また銀行では、貸し倒れリスクを見積もって貸倒引当金を計上するが、貸倒引当率は1~2%程度が一般的な水準といえる。横浜銀行は1%に満たず、非常に健全、都民銀行も1%台の水準を保っている。対して新銀行東京は14%。圧倒的に高く、バブル崩壊直後の水準といわざるをえない。

貸倒引当率が高いということは、貸し倒れリスクが高い、つまり甘い審査で融資を行っているということになる。それなのに貸出金が少ない。審査が甘いのに貸せていない、というわけだ。

では資金調達はどうか。