人間関係の悩み

悩み5
部下や若手社員が、なかなか成長してくれません。
どうしたらいいでしょうか。
▼小池龍之介の回答

まず理解しなければいけないのは、私たちはみな「支配欲」を持っているということ。そのため、自分が指導しても思い通りに動かない部下に「なぜ私のいうことを聞かないんだ」とイライラする感情を持ってしまうわけです。

指導する真の目的は部下や後輩を「成長させること」なのに、いつのまにか相手を思い通りに「支配すること」が目的になってしまっているんですね。こういうときはいったん指導するのをやめ、何もしないことです。

これまでああだこうだと口うるさくいわれ続けて、後輩はあなたに対して不満を抱いているはず。その状態で指導を続けても、お互いにストレスがかかり、誰も幸せになりません。たとえ部下が失敗しても叱責せずに、まずは「そうだったんだね」と受け止めてあげる。すると部下は安心しますし、あなたへの信頼も回復へ向かう。部下との信頼関係が構築できたらようやく次のステップに進めるのです。若手なのだから向こうからやる気を見せてほしいという方もいます。その思考も支配欲の1つです。人が変わってくれるなんて考えないことです。

悩み6
インスタグラムで「いいね!」が欲しくて、
時間があれば投稿できる写真を探している自分に、疲れてきました。
▼小池龍之介の回答

人がスマホを何度も見たいと思うのは、脳が以前に「いいね!」で得た快さを再現したいと思っているから。

ただ、認識しないといけないのは、SNSの「いいね!」は実体として存在しないということです。本来ないものを求めていることに気付ければ、徐々にSNSやスマホがどうでもよくなるでしょう。

そもそもSNSで誰かと繋がる行動は、人と繋がりたいという寂しさがあるという証拠。日々忙しく過ごしている人は、実は自分が寂しいのだということをほとんど自覚していません。

自分は立派な社会人だという自負がありますから、寂しさを振り返ることはありません。ただ人は寂しいと本能的に誰かの反応が欲しくなります。そこでSNSに熱中するわけです。

しかし自分でも自覚できていない感情が、誰かに理解してもらえるでしょうか。それよりも、自分で自分の寂しさを聞いてあげるほうが効果的です。「スマホばっかり見てはダメだ」と思うのではなく「自分のなかの寂しさに囚われているんだね」と理解してあげる。そうすれば、寂しさも和らぐはずです。

(構成=井澤 梓 撮影=的野弘路)
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