キャリアの悩み

悩み3
同期が先に昇進しました。
私のほうが、仕事ができると思っていたのに、許せません。
▼小池龍之介の回答

理想の自己イメージに振り回されてしまっていますね。これを私は「プライドの煩悩」と呼んでいます。人は心の底で「自分は評価に値する人間に違いない」というプライドを持っています。

プライドの煩悩は他人からの評価に過敏に反応するもの。あなたは同期の昇進の話を聞いて「こんなはずじゃないのに」と落ち込んでいますよね。先ほどのように、今の脳の状態を考えてみましょう。

おそらく、同期の昇進を聞いたあなたの脳は「不快」になっているはずです。そこからもう1歩、「不快」な感情を分類してみましょう。

不快な感情は「欲求の状態」「イライラする状態」「モヤモヤする状態」の3つに分けられます。仏教でいうと「貪(とん)」「瞋(しん)」「痴(ち)」。

ああ、自分は評価を欲しているんだなとか、以前のように評価が得られないからイライラしているんだなとか、もう自分は昇進できないと思ってモヤモヤしているんだな、と分類してみてください。

自分の不快の正体がわかれば冷静になることができ、解決の糸口も見つかるはずです。

悩み4
転職しようか悩んでいます。エージェントから
魅力的な条件の会社を勧められました。少し心が揺らいでいます。
▼小池龍之介の回答

私のところへは転職の悩みを相談に来られる方も多いです。転職で気をつけなければいけないのは転職の目的は何かを知ることです。

転職は新天地を求める行為。ですが多くの人は、今と同じ業種や職種を探してしまいがちです。それは「今の仕事を選んだことは正しかった」と思いたいからなんですよね。似たような仕事であれば失敗のリスクも少なく、自分は間違っていないと思うことができるから。これを「正しさの煩悩」といいます。

正しさの煩悩に囚われて安易に結論を出さず、もっと多くの選択肢を検討するほうがよいのではないでしょうか。新天地は、「没頭できるかどうか」を基準に探してみましょう。やりがいや充実感を得るためには、何かに没頭するのが1番です。

没頭できるものは仕事で探すのがいいです。なぜなら働くことはほかの行動に比べ、社会的承認を得られやすいから。人は、誰からも承認されないことを長く続けられるほど強くはありません。自分が没頭できるような適職に出合えれば、煩悩から解放され充実感を得ることができるでしょう。