「私が稼いだ金よ。私の自由に使って何が悪いの!」

仮に妻が息子を引き取ったとして本当に母子家庭の生活は成り立つのでしょうか?

※写真はイメージです

5年間の結婚生活の大部分で妻は専業主婦だったのですが、息子が保育園に通い始めるタイミングで2カ月だけパートに出た期間がありました。法律上、子に対して扶養義務を負っているのは夫だけでなく、妻も同じです(民法877条)。そのため、夫は妻がパートの収入を家計に入れてくれると見込んだのですが……。

「私が稼いだ金よ。私の自由に使って何が悪いの!」

そんなふうに妻は「握った金は離さない」という態度をとったのですが、結局、わずか2カ月でパートタイマーを辞め、また専業主婦に逆戻り。2カ月分の給料は妻のへそくりに回ったのか、遊ぶお金に消えたのかはやぶの中です。

▼夫は妻に思い切って“直球”を投げ込んだ

もちろん、離婚後、妻は嫌々ながらも働き始めるかもしれません。しかし、夫から見て、妻には「自分の稼ぎを子供にささげる」という利他的な精神が欠落しているように映りました。

離婚したからといってひとりの人間の本質はそう簡単には変わりません。残念ながら離婚後も結婚中と同じことを繰り返すケースが多いのです。それに、今回の場合、お金の使い道について子供より自分(妻)を優先するのは親権者としてあまりにも致命的です。

誠司さんの心は決まりました。妻が子供を引き取っても金銭的に困窮し、子供が幸せにはなれないのは目に見えている。いつまでも、息子を引き取ると言い張り続ける妻に、夫は思い切って“直球”を投げ込んだのです。

「本心のところでは自分さえ良ければ、(息子のことは)どうなってもいいんじゃないのか?」

急所をついたでしょうか。妻は無言で聞き流したといいます。