家は持てば持つほど投資リスクが下がっていく

たとえば1軒の家を2軒に増やすのは最初の1軒を持つよりも楽だし、10軒の家を持っている人がもう1軒増やすのはもっともっと楽にできます。裏を返せば、投資リスクがそれだけ下がるということです。従って、持てる人はますます持つようになって、持てない人はいつまでも持てないのです。

若くして資産を持った人ほど、資産を増やしやすい。私がそうやって唱えるものだから、ウチには3軒、4軒とマンションを持っている社員がたくさんいます。合計すれば億を超える資産持ちもいると思いますよ。

81カ国・地域を見て回った結論は「東京の不動産は安い」

長期的に見れば、日本の不動産価格はまだ割安です。私は世界81カ国・地域を見て回りましたが、同じ規模の住宅の値段で比べると上海、台北、香港、ロンドン、パリ、ニューヨークあたりは日本よりも高い。バブルのときは日本の不動産は高くて、世界は安かった。ところがバブル崩壊後は日本の不動産価格はずっと下がり続けて、少し上がって現在の状態です。世界の不動産はリーマンショックで少し下がりましたが、それでも比較のうえでは同規模の世界の都市と比べて東京の不動産は安い。

もちろん、割安だからといって、今後、東京の不動産価格が万遍なく上がるわけではありません。将来、資産価値が上がる不動産かどうかを見極めるポイントは人の増減。人が増えているところは上がる。不動産投資の第一歩としては、人が増えているエリアに自分の城を構えることをお勧めします。

アパグループ代表●元谷外志雄(もとや・としお)
石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部通信教育部入学とともに、小松信用金庫に入庫。27歳で独立し、アパグループの前身「信金開発」を設立。国内有数の都市開発企業へ成長させ、ホテル事業では国内最大級の規模となる。著書に『増補版 理論近現代史学』(扶桑社)など。