医薬大手は海外展開へ注力

帝人300億の赤字転落。花王、資生堂は減益も底堅い
表を拡大
帝人300億の赤字転落。花王、資生堂は減益も底堅い

「医薬品業界は典型的な護送船団で、国に食わせてもらっている業界。2009年度は薬価改定がなく、業績は概ね堅調に推移することが予想されます。しかし、もはや海外展開なしに生き残ることは難しく、さらなる業界再編は必至です」

業界関係者は、保護されてきた業界体質を皮肉たっぷりに指摘。医薬品の公定価格(薬価)の次回改定は来年4月で、武田薬品、第13共、エーザイ、アステラスの大手四社、塩野義、協和発酵キリン、大日本住友、小野薬品などの準大手、持田、久光、参天などの中堅まで、当面は手堅く業績を残しそうだというのだ。

とはいえ、不安要素は多い。たとえば、アステラスは米国のバイオベンチャーの株式の公開買い付け(TOB)を実施したものの、頓挫。他社が主力製品の特許切れを前にバイオベンチャーの買収をして対策を講じてきたが、出遅れた形だ。では、今後の業界地図はどうなるのか。

「海外展開に向け先行投資を行ってきた大手と、特定の領域に強みを発揮している中堅の二極化がさらに進むことが予想される。とりわけ、その中間に位置し、資金力も大手に劣る準大手の各社と再編への対応が遅れている中堅は正念場だろう」(業界紙記者)

繊維は個人消費の低迷の影響を大きく受けた格好だ。オンワードHDは百貨店での衣料品販売が低迷。海外事業拡大に向けた投資費用や為替相場の急激な変動によって大幅な下方修正を迫られた。次世代素材で注目を集めた炭素繊維に力を注いでいた三菱レイヨン、東レ、帝人も揃って厳しい内容となった。

不況に強いといわれてきた化粧品・トイレタリー業界だが、国内需要の頭打ちはいかんともし難いようだ。その中で花王や資生堂は、ともに3月期は下方修正しているものの、今後アジアでのさらなるブランド力強化に乗り出し、巻き返しを図るようだ。

化学は、「医薬」「環境」をキーワードとした買収や開発を推進。三菱ケミカルHD、富士フイルムHD、旭化成の“次の一手”が注目されるところだ。

※年収はいずれもユーレット(http://www.ullet.com/)のデータをもとに作成。純利益予想は3月25日時点の決算短信、業績予想の修正より。