上司と妻にいたぶられた30代社員の「フラリーマン化」

ここで、思い出すのが「フラリーマン」という現象である。仕事が終わっても家にまっすぐ帰らずに寄り道をするサラリーマンのことだ。「働き方改革」の残業削減で早い時間に退社しても家に帰りたがらない人が増えているのだという。

*写真はイメージです

NHKの朝のニュース番組「おはよう日本」が、この現象を取り上げたところ大きな反響があった。番組内では退社後にゲームセンターやカフェで過ごす男性サラリーマンが紹介されたが、家に早く帰らない理由として「早く帰っても家事のじゃまになるから」とか「子ども中心に回っている家は居心地がよくないから」と話していた。

家事と子育てを引き受けることの多い女性にとっては噴飯もので、ネットでも女性側から「はらわたが煮えくりかえる」「殴ってやりたい」という恐ろしい非難の声が上がっていた。

だが、会社でストレスがたまっても、先の調査のように家庭で苦痛を受けている男性も少なくないことを考えると、家に帰らずにフラフラと漂流したくなるのも理解できる。

▼上司や妻がいない場所が、一番「安全・安心」

家に帰りたがらないフラリーマンがどれだけいるのかわからないが、近年のサラリーマンの残業時間は減っている。Vorkersの『10万人の社員のクチコミによる「働き方改革」検証』(2017年10月19日発表)では月間平均残業時間は2013年の45時間から2017年は32時間に減少している。13時間も減っているのだから当然、その分早く帰宅することができる。

だが、残業時間が減少すれば“第2の給与”である残業代も減ることになる。筆者が厚労省の統計をもとに試算した30代正社員の1時間あたりの平均割増残業代は約2800円。13時間だから月に3万6400円の減収になる。これだけ減ると家計のやりくりも大変だろう。

妻からグチをこぼされ、「経済的圧迫」を受けて小遣いをさらに減らされている人もいるかもしれない。テレビに登場したフラリーマンたちの中には、カフェで過ごすか、ベンチでたたずんでいる人もいた。

もし小遣いが減らされているとすれば、仕事後にたまに羽目をはずして飲み食いするといったプチ贅沢も許されないに違いない。会社からまっすぐ帰宅せずに途中下車して、ただフラフラすることが唯一の癒しの時間であり、誰からも危害を加えられない安全安心な時間なのである。

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